「私、レンと言います。ずっと前からシリウスさんにお会いしたいと思っていたんです。」
レンはそのまま極力動かないようにしながら言葉を話し続ける。
もしかしたらこんな機会は一生来ないかもしれないのだ…前から会いたかった…言いたかった…そう思っていたことを言い、その後の自分の事は彼の好きなようにすれば良いとそう思ったのだ。
シリウスは小さく溜息を吐いたかと思えば杖を卸、自分が先程まで座っていた場所に戻って座ってしまった…これはレンにとって予想外の事で、思わずきょとんとしてしまうが、取り敢えずは自分を少しは信じてもらえたのだろうと良い方に考える事にし、その場に腰を下ろす。
「お前の母親は…元気にしているか?」
震えた声だった。レンを真直ぐに見つめ、その眼差しは心配そうだった。
「亡くなりました。」
レンはそれだけをシリウスに伝えれば、シリウスは「そうか…」と小さく呟き遠くを見つめていた。
自分がアズカバンにいる間に亡くなった親友の事を考えているのだろうか…。
「母とシリウスさんは親友なのですよね?」
「……あぁ、私とアクアやリリー、ジェームズ、リーマス…皆、親友だった…」
「リーマスも?」
レンは少しだけ驚いてみせた。
リーマスからは母の話は聞いた事があってもシリウスの話を聞いた事はなかったのだ…。