「リーマスを知っているのか?」
「はい。昨年のクリスマスを過ぎた頃から一緒に暮らしてくれていますし、今はホグワーツで教師をしています。」
そうか…とホッとしたような表情をシリウスは見せた。
けれどレンへの警戒は未だに拭いきれてはいない様でレンが少しでも動けば、シリウスは直ぐにレンの動きに視線をやっていた。
「あの…シリウスさん」
レンがそう名を呼べば、シリウスは少しだけ眉間に皺を寄せレンを見つめる。
「シリウスで良い。」
「有難う、シリウス。あの…私…シリウスを吸魂鬼に引き渡したりしないわ。だから、そんなに警戒しないで欲しいの…」
レンがそう訴えてもシリウスから返事は戻ってこなかった。
レンはそれに少しだけ溜息を吐けば、首の後ろに手をやってネックレスを外すと、それをシリウスの方へ投げ、シリウスは慌ててそれをキャッチし、その物を見ると瞳を丸くし驚いた表情を浮かべた。
「それは母の形見で、私の命より大切な物です…それを預けるわ…だから、信じて欲しいの。」
自分にはそれしか信頼を示す方法が思いつかないと苦笑を浮かべ言うと、初めてシリウスの表情にうっすらと笑みが浮かんだように思えた。
「…信じていない訳ではない。ただ、今の私はどうしても捕まる訳にはいかなくてね。」
預かっておくとそれを首から提げると、シリウスはそう語り始めた。