全校生が大広間に入り、それぞれの寮のテーブルにつくと、今日職員が入場し、一列になって上座のテーブルに進み、着席した。
列の最後はダンブルドア、カルカロフ校長、マダム・マクシームで、マダムが入場すると、ボーバトンの生徒は起立し、マダムがダンブルドアの左手に着席するまでは席に座らなかった。
ダンブルドアはその場に立ったまま、全員が座るのを確認し大広間が水を打った様になるとゆっくりと話し始める。
「こんばんは。紳士淑女、そしてゴーストの皆さん。そしてまた…今夜は特に…客人の皆さん。」
ダンブルドアは外国からの学生全員に向かってニッコリとした。
「ホグワーツへのおいでを心から歓迎致しますぞ。本校での滞在が、快適で楽しいものになる事をワシは希望し、また確信しておる。」
ボーバトンの女子学生で、まだしっかりとマフラーを頭に巻きつけたままの子が間違いなく嘲笑と取れる笑い声を上げレンはムッとしたのが自分でも判った。
ただ快適に楽しく過ごして欲しいと、そうなる事を確信してると言っただけでこの態度はなんなのだろうか…この人達とは仲良くなれそうにもないと思えば大きめな溜息を吐いた。
「貴女なんか、誰も引止めやしないわよ!」
ハーマイオニーが呟くように毒づいたのを見れば、同じ気持ちだったのだろうと内心安心する。
「三校対校試合はこの宴が終わると正式に開始される…さぁ、それまでは大いに飲み、食い、かつ寛いでくだされ!」
ダンブルドアがそう言い着席すると、カルカロフ校長が直ぐに身を乗り出してダンブルドアと話し始めれば、テーブルの上がいつものように沢山の料理で満たされた。
厨房の屋敷しもべ妖精が、今夜は無制限の大盤振る舞いをしたらしく、目の前にはこれまで見た事がないような色々な料理が並び、はっきりと外国料理と判る物もいくつもある。
「あれ、なんだい?」
ロンが指差したのは大きなキドニーステーキ・パイの横にある貝類のシチューのような物だった。
「ブイヤベース」
「今、クシャミした?」
ハーマイオニーが答えてくれた言葉に、ロンは首を傾げながら聞いた。
「フランス語よ。一昨年の夏休み、フランスでこの料理を食べたの。とても美味しいわ」
その言葉にロンは信じると言いながらも違う物を食べ、それを見たハーマイオニーは小さく溜息を吐く。
レンはいつも通りの食事を取っていたが、いつもの大広間がずっと込み合っているように見え、なんだか落ち着かなかった。
「どうしたの?」
そんな様子のレンに、ハリーは不思議そうに声をかければ、レンは小さく苦笑を浮かべれば首を横に振る。
「何でもないのよ。なんかいつもよりにぎやかな気がして。」
「そうだね、たかが20人ぐらい生徒が増えただけなのに。」
「私、ホグワーツに来る前は1人か2人で食事していた生活だったから、なんだか落ち着かなくて。」
そのレンの言葉にハリーはホグワーツにいる時は何時も人が沢山居るじゃないかと小さく笑った。