「ハリー・ポッター」
その名前が読まれると、視線がハリーに集まり、歓声などはなく、怒った蜂の群れのようにワンワンという音が大広間に広がり始めた。
そんなはずがない…何かの間違いだ。
レンはそう思った。
「僕、名前を入れてない…僕が入れていない事、知ってるだろう…?」
ハリーは放心しながら呟くようにそう漏らす。
「知ってるわ。それに入れる筈がないって信じてる。」
「ハリー・ポッター!」
ダンブルドアがまた名前を呼び「此処へ来なさい!」と怒った様な声色でそう言えば、ハーマイオニーは慌ててハリーに行かなきゃ駄目だと告げ、ハリーの背を押した。
ハリーはどうしたら良いのか判らない様子だった。
何が起こったのかすら理解していないような様子で、ダンブルドアの方へと歩いていく。
ダンブルドアに何かを告げられると、ハリーは隣の部屋へと消えて行った。
「ズルしたんだ!」
「まだ17歳になってないじゃないか!」
そんな声が辺りから聞える。
ハリーの後を追うようにバグマンが隣の部屋へと消えていくのをダンブルドアは確認すれば、先程のように少し大きめの声で聞えるように声をかける。
「ミス・クレスメント。此方へ…一緒に来なさい。」
自分の近くに座っていた人物や、それ以外の人物からの視線が痛いほど突き刺さるのを感じ、レンはそれでも冷静を保とうと、表情に笑みを浮かべる事はなく、すっと立ち上がりダンブルドアの元へと歩いて行く。
ダンブルドアはレンの背に手を当てれば、隣の部屋へと歩いていく。
その直ぐ後ろをクラウチ、カルカロフ、マダム・マクシーム、マクゴナガル、スネイプと続いていく。
「ズルイぞ!」
そんな非難する声が多く聞える。
きっとジョージやフレッドも、ハリーにしたならどうして自分達にも協力してくれなかったのだと、思っているのに違いないと、レンは思えば小さく溜息をついた。