「それじゃ…またね。」
セドリックは、大理石の階段を上らずに右側のドアに向かい、ドアを開け向こう側に行こうとした時、レンはやっと口を開く。
「セドリック。」
レンの言葉に、セドリックは不思議そうに首を傾げレンの方に視線を向ける。
「あの…本当に私達は何もしていないわ。誰もが疑っているのも知ってる。けど…都合の良い話だけれど、貴方には信じて欲しいって私は思ってる。トライウィザードトーナメントは危険を伴う競技よ。貴方達上級生が蓄えた知識も技術もないハリーをそんな中に投げ入れて死と隣り合わせにさせたくもないし、ハリーも私も、そんな富とか栄光とかには興味はない。」
レンの言葉に、セドリックは複雑そうな表情を浮かべ、曖昧に頷いただけで、そのまま扉の向こうへと行ってしまい、その後直ぐに石段を降りる音が響き渡った。
「ハリー、私達も行きましょう?」
「あー…うん。」
「ハリー…あのね…?」
2人とも無言で寮へと向かい、半分ほど歩いた時、レンは重い口を開いた。
「私、ムーディ先生が言っていた事、強ち間違いじゃないと思うの。情報が少なすぎて確実な事は言えないけれど…。」
「あー…うん。僕もそう思ってた。」
ハリーは考え事をしていたのだろう、意識をこちらへと持ってきては、小さく頷いてみせる。
「前に傷が痛んだ時、夢を見てたっていったよね?」
「えぇ。」
「その時見てた夢って言うのが、ワームテールとヴォルデモートと知らない男が僕を殺す計画をしていた…それを聞いていた夢だったんだ。」
夢に左右される訳じゃないけど、今ヴォルデモートが1人じゃないって、なぜか僕は自信を持って言える。とハリーはそう教えてくれた。