「大切な家族を1歳の時に奪われて、額に傷痕を残されて…誕生日もクリスマスも共に温かく祝ってくれる家族が居なくて…ハリーがどんなにロンの家族を羨ましいって思っていたか判らない?」
そうゆっくりと語りかければ、ロンは暫く沈黙を保った後、ゆっくりと口を開く。
「判らない訳じゃない。僕がハリーだったら凄く寂しいと思う。あのマグルの親戚も良くしてくれてない事だって知ってるし。…けど、何で僕に隠し事なんてするんだ?親友だろう?」
「ハリーはロンに隠し事なんてしてないわ。ゴブレットに名前は入れていないの。今までハリーがロンの事を裏切った事あった?」
握ったままの片手に、もう片手を沿え、ロンの手を包み込むようにすれば、もう1度ゆっくりとロンに話して聞かせる。
「大きな声では言えないけれど、ムーディはハリーの命を狙う誰かがゴブレットに名前を入れたって考えてる。3校しかない試合を4校と思わせ、4校目はハリー1人しか居ないとゴブレットに勘違いさせるには強力な錯乱の呪文を使うしかない…」
自分もその考えに同感だという事。もしヴォルデモートが三校対抗試合の事を知っているとすれば、外部から城に入る事が許される絶好のチャンスを逃す訳がない…自分の手下を送り込ませてハリーを誘き寄せる、または事故を装って殺す…そういう事が出来る環境である事をレンはゆっくりと、ゆっくりと…言葉を選びながらロンに聞かせていく。
「ロンはこのままで良いの?課題はとても過酷だと聞くわ。上級生が蓄えてきた知識も持たず、急にそんな中に1人投げ込まれて…以前の様に協力してくれた支えてくれた友もいない、そんな不安なまま試合を行っていかなきゃいけない。…このまま喧嘩の様なままで…万が一ハリーが死んでしまったら…ロンは後悔しない?」
レンのその言葉にロンは顔色を青くさせた。
きっとこのままハリーが死んでしまう事を想像したのかもしれない。
「素直になれないのは判るけれど…ハリーにはロンが必要よ。共に分かち合ってきた親友だし、私にもハーマイオニーにも出来ない事が、貴方だけに出来るの。現にどんなに私がハリーを元気付けようと頑張っても元気になってくれなかったハリーがロンの一言で元気になってくれたの私知ってる。…私はハリーにもロンにもハーマイオニーにも…今も遠い未来も…3人はいつも一緒で幸せに笑っていて欲しいって思う。その為なら私はどんな事もしてみせる。ハリーに取り巻く運命が仲を違えさせるって言うなら、その運命を身代わっても良い。」
「…そうしたら、君はどうなる…?…君も仲間じゃないか。」