「どこか怪我はない?」
「うん。僕には何も…レンは?」
「私は大丈夫。ちょっと苛々しているだけ。」
小さく苦笑し、ハリーにハーマイオニーを医務室へ連れて行くわ。と言い残し、肩を抱き教室を出ようとした時だった。
「この騒ぎは何事だ?」
低い冷え冷えとした声がした。
スネイプが教室に登場すれば、スリザリン生が口々に説明したが、スネイプはドラコを指差し「説明したまえ」と言った。
「先生、ポッターが僕を襲ったんです。」
「僕達は同時にお互いを攻撃したんです!」ハリーが叫んだ。
「ポッターがゴイルをやったんです。見てください。」
スネイプはゴイルの顔を見れば「医務室へ」と小さく指示し、彼はいそいそと医務室へと向かう。
「マルフォイがハーマイオニーをやったんです!見てください!」
ロンも負けじと言ったが、呪いの所為で顎よりも長くなった前歯を見てもスネイプは「何も変わらん」と言い放った。
スリザリン生の女子生徒からクスクスと楽しそうな笑い声を聞けば、ハリーとロンは同時に大きな声でスネイプに叫ぶ。
「貴女達全員を、同じにして差し上げましょうか?そして同じ言葉を言われた時、そうやって笑っていられるのか見物ね。」
レンが少し大きめな声で、笑った者たちへ冷たく言い放てば、笑い声はやみ、皆が冷たく睨む視線をレンへと向け、レンは片手で杖をぎゅっと握り締める。
「ミス・クレスメント。そいつを医務室へ連れて行け。」
「スネイプ先生も先程のお言葉は、教師としていかがなものかと思います。」
レンはスネイプにもそう言えば、スネイプは僅かな間レンを見ていたかと思えば、直ぐに視線を逸らし何事もなかったかの様に事を運び始める。
レンはハーマイオニーの手をやや強めに握れば強引に引っ張って医務室へと歩いていく。
こんな残酷な気持ちになったのは生まれて初めてだとレンは思った。
どんな態度も自分にされたのならば、きっと耐える事が出来ただろう…。