だが、自分が守りたいと思っている、大切な友を信じては貰えず貶され続け、傷つけられ…
友が悪い事をしたのならば判る。だが、どんなに説明しようと、真実は信じてもらえずにこんな行動をとられ続け…挙句の果てには、あのスネイプの態度だ。
怒りにも似た悲しみがレンの心を支配し、全てを壊してやりたいと…そう思いハッとした。
気が付けば、医務室に着き、レンはハーマイオニーを連れて中に入ればマダム・ポンフリーはギョッとした。
「呪いをかけられたんです。」
スネイプの態度や呪いでショックを受けているのだろう…ハーマイオニーはただ泣いたまま何も言えなかった。
レンが変わりにそう言えば、マダム・ポンフリーはハーマイオニーをベッドに座らせて、片手に手鏡を持たせると、杖を一振り。
「元の長さになったら言いなさいね?」
歯を削る魔法なのだろう…徐々に歯が短くなっていき、ハーマイオニーは段々と落ち着きを取り戻した様だった。
「ミス・グレンジャーはもう少し時間がかかります。貴女は授業に戻りなさい。」
マダム・ポンフリーはレンにそう言うと、ハーマイオニーは安心させようとニッコリ微笑み小さく頷いた。
だがレンは授業に戻る気にはなれず長い廊下を談話室に向かってゆっくりと歩いていく。
気持ちを落ち着かせるんだ…前の自分ならこんな事はなかった筈。
ゆっくりと…落ち着いて…昔の様に心を凍らせれば良いのだ。
何を言われようとも感じず乱されず…ただ信念の為だけに動いていたあの頃に…。
レンは大きく冷たい空気を何度か吸い込む様に深呼吸を繰り返す。
「どうしたのかね?」
そう自分に言い聞かせていれば、聞き覚えのある声に、レンは顔をあげる。
するとそこにはブルーの瞳を綺麗に輝かせたダンブルドアがいた。
「ちょっとハーマイオニーを医務室に…だけどちょっと気分が優れなくて…寮に戻ろうかと思っていたところです。」
その瞳にレンの姿を映し出すと、ダンブルドアは優しく微笑んでみせる。
「無理はせぬ事じゃ。ワシはレンを信頼しておるし、レンから話してくれるのをいつでも待っておるよ。」
ダンブルドアの優しい声色に、レンの心の紐がゆっくりと解けていく様だった。