「体の半分が置いてけぼりだ。」
アーサーはオートミールにたっぷりと糖蜜をかけながら言った。
「当然にっちもさっちもいかない。どっちにも動けない。魔法自己リセット部隊が来てなんとかしてくれるのを待つばかりだよ。いや事務的な事故処理が大変だったよ。置き去りになった体のパーツを目撃したマグルのことやら何やらで。」
レンは頭だけ姿現しをし、首から下は置き去りになった場合、体の方に頭を連れてくるのか、頭の方に体を連れてくるのかどっちなんだろう…。などと考えてみていた。
「助かったんですか?」
「そりゃ、大丈夫。しかし相当の罰金だ。それにあの連中はまた直ぐに術を使うという事もないだろう。姿現しは悪戯半分にやってはいけないんだよ。大の大人でも使わない魔法使いが大勢いる。箒の方がいいってね。…遅いが安全だ。レンはちゃんと移動はできてはいるが、一度試験を受けてみた方がいい。」
それに対し、レンはカップに口をつけたまま小さく頷いた。
体が温まれば再度眠気に襲われレンはうつらうつらとしていれば、皆はビルやチャーリー、パーシーが姿現しが使えるとういう話をしていた。
チャーリーは1度目は8km南の買い物途中のお婆さんの上に落ち一発合格はできなかったが、2回目で合格。他の2人は一度で合格し、パーシーが合格したのは2週間前なのだそうだ。
そう話をしている間に、ジニーとハーマイオニーが部屋から降りてきて食事を始める。
何でこんなに早く起きなきゃならないんだと文句を言うジニーに、レンがいる事が嬉しそうなハーマイオニー。
だが、また寝に入ってる事にジョージとフレッドと目を合わせて笑った。
「ジョージ!」
突然モリーがそう叫び、ジョージは「どうしたの?」としらばっくれていたが、皆モリーの声に驚き、レンも瞳をぱちくりとさせ驚いた姿を見せるも、目の前に居なかったハーマイオニーがいる事にも驚いて見せれば、彼女は笑って小さな声でおはようと声をかけてくれた。
「ポケットにあるものは何?」
「何にもないよ!」
「嘘おっしゃい!」
モリーはそういうと、アクシオ!と何度も杖を振るい、その度にポケットの中やジャケットの裏地、フレッドのジーンズの折り目などから色鮮やかな飴玉が飛び出し、2人はそれを捕まえようとしたが、それも虚しくモリーの手の中に収まる。
呼び寄せ呪文を使わなかったらきっと全ては見つけられなかっただろう。
モリーもそれを判っているから、わざわざ魔法を使ったのだ。