いつも眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔ばかりしていたハリーの眉間からは皺が消え、いつも通りとは言えないが、どこか楽しそうにしているハリーに、それだけでレンは何だか満足だった。
ハリーに少しだけ本を見たいと伝えると、快く了承してくれたので、レンは本屋に向かう。
ハリーの為に来たのだから、彼を退屈させてしまっては…とも思い、タイトルを見て惹かれた物を適当に買い漁ると直ぐに本屋を後にする。
「レンって本が好きなんだね。」
「本を読む行為というより、自分の知らない事を知るのが好きなの。…毎日新たな発見ばかりするわ。」
「毎日?」
「えぇ。ハリーが私と似てて頑固だ…とかね?」
レンがそういうと、ハリーは苦笑を浮かべた。
「僕から始めた事じゃない。アイツの問題なんだ。」
「判ってるわ。ロンがハリーが名前を入れていないと認めない限り、2人は今まで通りになれない事も。」
ハリーはレンにマントの中が見えて居ないと思って居るのだろう、彼女の言葉を聞くとどこか寂しそうな表情をする。
「けれど、ハリーにとってロンはとても…ハーマイオニーや私よりも、誰よりも大切な友達なんだという事も判ってる。」
レンがそう言うと、ハリーは驚いた様にレンを見たが、レンはそれを気付かないフリをし、ハニーデュークスに入ってみる。
特に欲しい物がある訳ではないが、もしかしたらハリーが欲しい物があるかもしれないと思ったのだ。
「何か欲しい物があったら言って頂戴。」と伝えると、ゆっくりと店内を見て回る。
去年は地下を通ってこの店から現れたものだと、中に入れば何か懐かしく感じ、少しだけ笑みを零した。
「やっぱり…レンにはこのマントの中が見えてるんだね。」
ハニーデュークスを出ると、ハリーは少し悪戯っぽくレンに声をかけ、レンはくすくすと笑う。
「言ってなかった?」
「多分。」
真似をするように悪戯っぽく笑い返すと、レンはすぐその笑みを消す。