「リータ・スキーターだ。」
ハニーデュークスの壁に2人で寄りかかりながら三本の箒から出てくる彼女を2人で見る。
リータ・スキーターはなにやらお供のカメラマンとヒソヒソと話しながら此方へ向かって来ると、其処にレンを見つけ、その瞳を妖しく輝かせた。
「あら、何たる偶然!こんな所で麗しの…当主様にで会えるなんて!」
「以前はお世話になりましたわね。…私の記事を書いて下さったもの。」
そう、レンが当主になったばかりの頃、一度彼女に記事を書かれている。
「私が書いた記事を読んで下さったなんて、なんて素敵な事ざんしょ!」
「それこそ偶然に…ですけれどね。」
レンは冷たく笑み、リータ・スキーターは更に瞳を輝かせる。
「今度ゆっくりとお話をしたいものざんすわ。その、貴女の事について。」
「いつか機会がありましたら考えさせていただくわ。」
失礼。そう付け加え、レンは彼女達の前を後にする。
彼女はまたヒソヒソと話し始めるとそのまま歩いて人混みの中へと消えて行き、レンはどっと疲れたような気がした。
「ロンがいても話しかけなくて良いから」という条件で三本の箒に入ると、レンはハリーの分のバタービールを買い、ハリーがいた席にまで戻ると其処に腰を落ち着かせた。
人目を避け、マントの下からバタービールを入れて渡し、彼が飲み始めたのを確認してからレンもゆっくりと飲み始める。
店内を見回すと、少し離れた席に、ジョージ、フレッド、ロン、リー、ハーマイオニーが座っているのが確認できる。
ハリーは店内を見渡し、一点を見つめると嬉しそうに小さく微笑んで見せる。
そこに何があるのかと、レンも其方を見れば、あの黒髪の彼女だけが胸に「セドリック・ディゴリーを応援しよう」のバッチを付けずに友達と話している姿だった。
レンはなにやら胸がざわめくのを隠すかの様に、先程買った本の1冊にカバーを付けて本を読み始める。
この本は学校の授業でも使いそうな程、色々な呪文が書かれている。
次の火曜日…ハリーには第1の課題が待ち構えているのだ。
何か聞かれた時は直ぐに助け舟を出せる様に、自分の知識を増やしておきたかった。