「クィディッチ・ワールドカップで正体を現しただろう?誰かが闇の印を打ち上げた。それに…行方不明になっている魔法省の魔女職員の事は聞いているかね?」
「バーサ・ジョーキンズ?」
ハリーがそう答えると、シリウスは大きく頷く。
「彼女はアルバニアで姿を消した。…ヴォルデモートが最後に其処に居たという噂のある場所ズバリだ。彼女は三校対校試合が行われる事を知っていた筈だし…兎に角愚かな女なんだ。知りたがり屋で頭が全く空っぽ。これは良い組み合わせじゃない。彼女だったら簡単に罠にはまるだろう。」
レンはハッとしたような表情を浮かべるとシリウスは不思議そうにレンを見る。
バーサ・ジョーキンズ…そう、レンが1度写真で調べた女性だ。
魔力を感じ行方を調べたが、その者だけ魔力を感じなかった…それは大体の場合、死を現している。
その彼女は、簡単に罠にはまるような性格…そして最後に目撃された場所が、あのアルバニア…。
以前レンが僅かながらにでも思った仮説が、ここではっきりと確信へと変わった気がした。
「レン、今キミが感じた事を素直に話してくれ。」
シリウスの視線に気付くと、レンは小さく溜息を吐く。
きっとシリウスは自分を見てそれを話さずにいると、そう思ったのだろう。
「ロンのお父様に頼まれて彼女の魔力を写真から追って行方を調べてみたわ。けれど魔力を感じる事が出来なかった。」
シリウスの瞳が確信めいた色に変わる。
「それは即ち亡くなって事を示すわ…そして彼女が姿を消した場所がアルバニア…。」
「どういう事?」
「つまりは…ヴォルデモートは三校対校試合の事を彼女から知り、誰かがヴォルデモートの命を受けて近くに居る可能性が極めて高い。」
レンは極めて高いではなく、何処か近くに居ると確信出来るものがあった。
今まで通り弱ったままのヴォルデモートならば、闇の印があれ程までに濃くなる事はない。
誰かがヴォルデモートの側にいて、世話をしているのだ。