「別に。僕、ベッドに戻る。」
「ちょっと嗅ぎまわってやろうと思ったんだろう?」
「ハリー…」
落ち着いてとレンは言おうとしたが、ロンは顔を真っ赤にして「悪かったね」と言い言葉を続ける。
「キミが邪魔されたくないんだって事、認識しておかなきゃ。どうぞ、次のインタビューの練習をお静かにお続け下さい。」
「ロン…」
何でこの2人は…
レンは大きく溜息を吐いたが、ハリーはテーブルの上にあった「セドリックを応援しよう」のバッチを力任せに投げつけ、それはロンの額に当たり跳ね返った。
「そーら、火曜日にそれを着けて行けよ。上手くいけばたった今、キミも額に傷痕が出来たかもしれない。傷が欲しかったんだろ?」
ハリーはそう言うと、振り返りもせずに螺旋階段を登っていく。
「ハリー!」
レンはそれを止めたが「おやすみ。」と小さく言っただけで止まる事も戻ってくる事もしなかった。
ただ、呆然と立ち尽くすロンだけが其処に残った。
「仲直り、したいの、したくないの?」
レンがそう尋ねれば、ロンはレンの隣に力なく座ると、小さく「したい」と答え俯いたまま顔を上げようとしなかった。
隣に座ったロンの背中をゆっくりと撫でれば、ロンは思わずレンの肩に顔を埋め小さく肩を震わせた。
「普通に謝りに行く事が難しいなら…試合の前か後、自分からハリーに逢いに行きなさい。そして何か言われる前に自分の気持ちをはっきりと伝えるの。」
暫くしてからレンはそうロンに言えば、ロンは「うん」と答えるだけで何も言おうとしない。
「第1の課題はドラゴンよ。今ハリーは不安がいっぱいでちゃんとお話できないだけだから…」
「ドラゴン?!」
「もし試合前までに仲直りしたいのなら…結膜炎の呪いがドラゴンには1番効くとロンがハリーに教えてあげて。やり方はこの本に書いてあるわ。」
いい?とレンがロンに本を押しつけながら念押しすれば、ロンは力なく頷き、少し1人で考えたいとの事だったので、レンは寝室へと戻った。
だが、次の日もロンはハリーにそれを伝える事はなかった。
伝えようとは、仲直りしようとは思っているのかもしれないが、その一歩をなかなか踏み出せないでいる様だった。