第27話
「ねぇ、レン。貴女何か良い呪文知らないの?」
温室でスプラウト先生の到着を待っていると、突然ハーマイオニーがレンに声をかける。
チラッとロンをみればバツの悪そうな表情をし視線を逸らされ、苦笑しながら「知らないわ」と答えるしかなかった。
「レン、ハーマイオニー…」
授業が始まってから10分後、ハリーは温室へ遅刻してくると2人の側にやってきて、小声で2人に話しかける。
「助けて欲しいんだ。」
「ハリーったら、私、これまでだってそうしてきたでしょう?」
ハーマイオニーも小声でそう答えると、不安そうな表情をしながらも小さく頷く。
ハリーがレンの方を不安そうに見つめると、優しく笑み頷いて見せた。
昼食を抜いて空き教室へ入るとハリーは「呼び寄せ呪文を明日の午後までに覚えなきゃいけない」と言い、教室のありとあらゆる場所にある物を、自分の方へと飛ばせようと練習を始めた。
この呪文は一度フリットウィック先生の授業で習ったものだ。
何度も何度も続けたが、本や羽ペンが途中で腰砕けになり、石が落ちるように床に落ちるだけだった。
「僕、占い学の授業に出ないで練習したい。」
「私は授業を欠席するのは嫌よ。」
ハーマイオニーはきっぱり断わると、レンは小さく笑い「私が付き合うわ。」と言えばハリーは嬉しそうだった。
「集中してるけど…何故だか、頭の中に恐ろしい大ドラゴンがぽんぽん飛び出してくるんだ…」
少し休憩をすると、ハリーはそう悔しそうに零す。
「無理もないわ。急にドラゴンと戦えだなんて言われたら、誰でもそうなるもの。」
でもどうして、呼び寄せ呪文なの?とレンが聞けば、ドラゴンの事をセドリックに教えた時、ムーディが自分の強みをいかせと教えてくれたという。
ハリーの1番得意なもの、それは飛ぶ事で、呼び寄せ呪文で箒を呼び寄せドラゴンを出し抜こう。そういう作戦だ。
休憩後暫く練習を続けたが、やはりハリーの心に何か引っかかるものがあるのだろう(多分ロンとの事だろうが)上手く集中できず、1匹のハエを掌に呼び寄せる事が出来たくらいだった。
ハーマイオニーが戻ってきてから、3人は夕食を済ませ、また空き教室で練習を続ける。
だが夜中になった頃に、ピーブズが邪魔をし、練習場所を談話室に移動するしかなくなってしまったのだ。
其処で数時間練習を重ねると、やっとハリーは呼び寄せ呪文を習得する事ができ、それから1時間ほど自信に繋がるまで練習を続けて午前2時、やっと3人は睡眠をとる事にした。