頭に鋭い角のあるシルバーブルーのドラゴン…スェーデン・ショート−スナウト…これがハリーと戦うドラゴンなのだろうか?
産卵期のドラゴンはどれも神経質になっており凶暴で危険だという話を聞いた事はあるが…選ばれた4頭の中でも1番安全なドラゴンがハリーに当たるように…そう願わずには、いられなかった。

ホイッスルが鳴り姿を現したのはハリー…ではなく、セドリックだった。
セドリックの顔色もロンに負けないほど悪かったが、ドラゴンを一目見ると小さく頷き決心を固めた様だった。
セドリックは杖を一振りさせると、グラウンドにあるひとつの岩をラブラドールという種類の犬に変化させ、会場を沸かせた。
ラブラドールはドラゴンの足元をウロウロとし気を惹き付けると卵とは反対の方向へ走り、そのまま自分を追いかけるように動きを止める事はなかった。
ドラゴンが完全に犬を追いかけ始めると、セドリックは卵に向かって動き始めた。
ドラゴンの尻尾や動きに気を付けながら進んでいくセドリックに、レンは、どうかドラゴンの気が変わらない様にと強く願ったが、その祈りも空しく、セドリックが卵を手に入れると同時に口から炎を吐き出し、セドリックを炎が包んだ。
「私、行ってくる!」
試合終了のアナウンスが流れ、救助隊が炎を消す作業に取り掛かると、直ぐにセドリックは何処かへ連れて行かれていく。
それをレンは見えなくなるまで目で追いながら、自分も其方の方に向かった。

会場の外に出ると、選手達が控えるテントの他に、治療用のテントが立たれており、レンは控えめにその中を覗くと其処にはセドリックが片手に卵を抱きかかえたまま治療を受けていた。
「セドリック…大丈夫?」
顔半分を火傷で覆われながら、セドリックはにっこりと微笑んで見せてくれ、レンはほっとし、セドリックの側まで歩いていく。
「クリアおめでとう。」
「有難う。」
マダム・ポンフリーはセドリックの火傷部分に軟膏を塗ると、セドリックはお礼を言い、大きな山場を越えてホッとしたような微笑をレンに向けてくれる。