「さぁ最後の代表選手ハリー!彼は一体どんな技を見せてくれるのでしょうか!」
バグマンの実況がどこか遠くで聞こえるような気がしながら、レンはじっと箒置き場の方角を見つめ、ロンとハーマイオニーも其方をじっと見つめたまま動かない。
「箒だ!ファイアボルトだ!!」
ロンはハリーの背後の方を指差しそう叫ぶと、ハーマイオニーはやったわ!と叫びレンをきつく抱きしめ、これで全てが終わった訳でもないのに、レンはもうこれでひと安心だという安堵感が心を埋め尽くした。
ファイアボルトがハリーの隣でぴたりと止まり、それにハリーが乗ると、会場は大きな声援で溢れかえる。
空へと飛び立つハリーの表情は、全ての恐怖から解き放たれ、まるでクィディッチの試合をしている時の様な自信に満ちている様な楽しんでいる様なそんな表情をしていたのを、レンは見て小さく微笑みを浮かべる。
飛ぶという行為が、ハリーを恐怖から解き放ち、今までのハリーに戻してくれたのだと…レンはそれに感謝をする。
高い位置から急降下をしたり、炎を避けながら弧を描くように飛び回ったりと、ハリーは陽動するように飛び回る。
「いやぁ、たまげた。何たる飛びっぷりだ!」
バグマンが叫び、レンはハリーが褒められた事が自分の事のように嬉しかった。
ハリーはホーンテールが口をあけた途端に、また急降下した。
しかし今度は今ひとつツキがなく、炎は交わしたが、代わりに尻尾が鞭のように飛んできてハリーを狙った。
ハリーが左にそれて尾を交わしたが、棘の1つがハリーの肩を掠めローブを引き裂き、レンもハーマイオニーも声にならない悲鳴を上げ、お互いに繋ぎっぱなしの手に力が入る。
だが、ハリーはそれを何とも思っていない様に、ホーンテールの辺りを一定の距離を保ち飛び回る。
ホーンテールはそれに苛々しながらも卵を守る為に飛び立とうとはしなかった。
それでもハリーは粘り強く飛び続けると、とうとうホーンテールは2本足で立ちその翼を広げた…その時だった。
ハリーは一気に急降下し、ホーンテールが姿を消したハリーを探している隙に、足元で転がる金色の卵を手にしたのだ。
どっと大歓声が会場を包み、最年少の代表選手が最短時間で卵をとったとバグマンが喜びに満ちた声色で実況すると、ドラゴン使いたちがホーンテールを鎮めるのに急いで駆けつけ、過去位置の入り口にマクゴナガル、ムーディ、ハグリッドの姿を見つけるとハリーはそちらに向かって降りて行く。
レン達もそれを見つけるとハリー方へと急いで向かった。