第28話
「ハリー!」
テントに入ると、レンは椅子に座っているハリーに飛び付き、ハリーは笑みを浮かべながらそれを受け止めてくれる。
「良かった、ハリー…私…っ」
ギュッと強く抱きしめ、涙目で言うレンにハリーは軽く笑うが、レンは離れようとはしなかったし、ハリーも無理に離そうとはしなかった。
「ハリー、貴方素晴らしかったわ!」
ハーマイオニーが上ずった声で言った。
「貴方って、凄いわ!貴方って本当に!!」
レンを抱きとめてくれている片手に力が入るのを感じると、レンは少しだけ顔を上げる。
ハリーは真っ直ぐにロンを見つめ、ロンは真っ青な顔でハリーの側に立っている。
「ハリー…キミの名前をゴブレットに入れた奴が誰だったにしろ…僕……僕、奴らがキミを殺そうとしてるんだと思う。」
「気が付いたって訳かい?随分長いことかかったな。」
ハリーは冷たく言い放ち、ロンは何度か口を曖昧にあけて、何かを言おうと必死そうにしていた。
…ハリー…。レンは小さくハリーに呟けば、ハリーは小さく頷く。
「いいんだ。気にするな。」
ロンが何も言わない内に、ハリーが言った。
「いや…僕、もっと早く…」
「気にするなって。」
ハリーがさっきより大きな声でそうはっきりと言うと、ハーマイオニーがワッと泣き出し「2人とも本当に大バカなんだから!」と地団駄を踏みながら叫ぶと駆け寄り、レンごと2人を抱きしめた。
良かった…これで元通りで、ハリーも本当に笑えるようになる。
レンはそう思うと嬉しくて涙が零れ、ハリーを抱きしめる腕に力を込めた。
ハーマイオニーが2人を放すと、今度はワンワン泣き声をあげて走り去っていってしまう。
「狂ってるよな。」
ロンがやれやれと頭を振るのをみて、レンもハリーから離れて、今度はロンをきつく抱きしめ、ロンの動きが止まった。