「おっどろき。これ、重いや。」
リーが、ハリーがテーブルに置いておいた金の卵を持ち上げ、片手で重みを計りながら言った。
「開けてみろよ、ハリー、さぁ!中に何があるか見ようぜ!」
「ハリーは自分1人でヒントを見つける事になっているのよ。試合のルールで決まっている通り…」
ハーマイオニーがそこまで言うと、ドラゴンを出し抜く方法も1人で見つける事になってたんだけど…とハリーが呟けは、ハーマイオニーはばつが悪そうに笑った。
「そうだ、そうだ。ハリー、開けろよ!」
何人かが同調すると、リーはハリーに卵を渡し、ハリーは卵の回りにぐるりとついている溝に爪を立ててこじ開けた。
中身は空っぽだった。綺麗さっぱり空っぽだ。
だが、ハリーが開けたのと同時に世にも恐ろしいキーキー声のむせび泣きそうな音が部屋中に響き渡り、ハリーは慌てて卵を閉じた。
その叫び声に、バンシー妖怪の声みたいだったとか拷問されていた声だったとかいろんな意見が飛び交う。
「俺が思うに、ありゃ、パーシーの歌声にちょっと似てたな。もしかしたら奴がシャワーを浴びている時に襲わないといけないのかもしれないぜ、ハリー。」
ジョージはレンの座るソファの背凭れに座りながらそう冗談を言いレンを笑わせる。
「それが本当なら、どの代表選手よりも貴方達双子の方が上手くパーシーを襲って皆を笑わせてくれそうね。」
レンがそう言うと、勿論だとも!とウィンクをしながらジョージは答えた。
「レン、ハーマイオニー。ジャム・タルト食べるかい?」
「有難う、フレッド。」
レンは素直に1つだけ受け取ったが、ハーマイオニーはフレッドが差し出した皿を疑わしげに見ると、フレッドがニヤリと笑い、レンは食べようと開いた口をそのまま閉じた。
「大丈夫だよ、こっちには何にもしてないよ。クリームサンド・ビスケットの方はご用心さ。」
丁度ビスケットにかぶりついたネビルが咽て吐き出すと、フレッドが笑い出し「ほんの冗談さ」と言った。
レンはホッと一安心するとゆっくりとタルトを食べ始め、ハーマイオニーはタルトを受け取りながら「全部厨房から持ってきたの?」とフレッドに声をかける。
「ウン。旦那さま、なんでも差し上げます。なんでもどうぞ!」
ニヤリと笑うと、屋敷しもべの甲高いキーキー声を真似しながらフレッドはいう。
「連中は本当に役に立つ…俺がちょっと腹が空いてるって言ったら、雄牛の丸焼きだって持って来るぜ」
「どうやって其処に入るの?」
ハーマイオニーはさり気ない、何の下心もなさそうな声で聞いたが、レンはまだあの委員会を諦めていなかったのかと小さく息を吐いた。