スネイプ先生かともレンは思ったが、スネイプはハリーを憎んではいるものの、ハリーが命のピンチの時は必ず助けてくれていた。
そんな人が、やはりダンブルドアの元でそんな危険を冒すはずが無い…。
本気で殺したかったら、既にもうやっている筈だ。
去年、シリウスと話している時など絶好のチャンスだった筈…。
そう考えるとやはり外から来た人物なのだろうとレンは思った。
各校の生徒が犯せるレベルではないのは判っていた…
ならば、マダム・マクシールか、イゴール・カルカロフ。そしてムーディ。後は魔法省のあのお二方。
そこからカルカロフを外したとしても…いったい誰が…レンはそう考えながら歩いていると、突然肩を叩かれて振り向けば少しだけ息が乱れたクラムの姿があった。
見かけて追いかけてきたのだろう。
「あ、貴方は…クラムよね?第1の課題クリアおめでとう。」
「有難う。ヴォク、キミと話が、したかった。」
「私と?」
クラムは大きく頷く。
「キミに、これを、返したかった。」
そう言うと、クラムはポケットから見覚えのあるハンカチと、もう1つ正方形の包みをレンに手渡し、レンは小さく首を傾げる。
「開けても?」
クラムは僅かに頬を赤らめながら頷けば、レンはその包みを開けると、可愛らしい花の刺繍がしてあるハンカチだった。
「綺麗…わざわざ私に?」
「あの時の言葉、ヴォクは嬉しかった。それも、嬉しかった。」
「本当は傷を癒してあげたかったの。でも時間がなかったみたいだったから…。でも良かった。傷が残ってなくて。」
「キミヴァ、優しい、魔女だな。」
「そう?こうしていつ会えるか判らない相手に、お礼を用意してくれてる貴方の方がとっても優しいわ。」
そういうレンにクラムはどこか頬を赤らめている。
18には思えなかった彼が、レンの言葉のひとつにそう反応をしてくれる…どこか身近な存在に感じられた。