「もう決まってるのか?」
レンが混乱していると、ジョージはそう尋ね、何度も首を横に振る。
「貴方は寮を問わず、色々な人から人気があるわ。私じゃなくても他に沢山居るんじゃない?」
「俺がレンと一緒に行きたいんだ。他の奴なんて知ったこっちゃないね。」
ジョージは直ぐにはっきりとそう言えば、レンの頬が少し紅く染まり、少し俯きながら小さく了承の意味で頷く。
それにジョージは嬉しそうに「有難う」とお礼を言った。
「楽しいものになるなんて期待しない方が身の為よ。きっと」
レンはそう言うとお休みなさいと、足早に逃げるように寝室に向かいベッドに潜り込んだ。
暫くするとハーマイオニーは少しイラついた様にベッドに腰掛け、隣のベッドのカーテンが閉まってるのを見ると遠慮がちにカーテンをあけ中を覗き込む。
「なんだ、起きてるんじゃない。」
「起きてると思って覗いたんでしょう?」
「起きてたら良いなって思って…」
ハーマイオニーは何時もの様にレンのベッドに腰掛けると、小さく溜息を吐いた。
「何かあったの?」
「ロンが…顔が整った人から順に誘っていって、どんなに性格の悪い人でもOKしてくれたらその人と行くって言うの」
ハーマイオニーは少し俯き、どこか悲しそうだった。
「それに私…クラムに誘われたの。」
「ダンスパーティに?」
「えぇ。いつも図書館に姿を現していたのは、私と話したかったんですって。けどその勇気が出せなくて…それにほら、あの人のファン達がついて回って騒ぐから、私が直ぐに図書館を出て行ってしまうし…なかなかね」
「私には…よく理解できていない感情だけれど、クラムはハーマイオニーを気に入っているのね」
そうレンが言うと、ハーマイオニーは頬を紅く染めて恥ずかしそうに俯いてみせる。
そんなハーマイオニーが、レンは少しだけ羨ましく可愛らしいと思った。
「けどハーマイオニーはロンと一緒に行きたいのよね?」
その言葉に、ハーマイオニーは頷きかけたが慌てて首を横に振って「私、クラムと一緒に行くわ!」と答えレンを苦笑させた。
「それはそうと、私、貴女はハリーと行くと思ってたわ。」
「ハリーは違う女性に夢中だもの。私と行くだなんて有り得ないわ。」
ならどうしてあの時返事に困っていたの?という問いがレンを困らせ、何故だろうと考える。
「ジョージは寮関係なく色々な人からの信頼もあるし人気者だわ。そんな人が私を誘うだなんて想像していなかったし、私と一緒にいても楽しいと思えない自信があるのよ。」
レンは少し考えた後にそう答えれば、ハーマイオニーはクスクスと笑ってみせる。
「当日は2人ともとびっきりオシャレして、あの2人を見返してやりましょう?最後の手段とかで考えさせないくらいに。」
ハーマイオニーはそう言うと、自分で決意したように「うん!」と力強く言ったのだった。