第30話
ホグワーツの殆どの場所がクリスマスムード一色になり始めていた。
客人を引き続きあっと言わせたいと願いを込めて、これまで見たホグワーツ城の中でも最高に素晴らしい飾り付けが出来上がっていたのだ。
大理石の階段の手摺りには万年氷のツララが下がっていたし、12本のクリスマスツリーがいつもの様に大広間に並び、飾りは赤く輝くヒイラギの実から、本物のホーホー鳴く金の梟までもりだくさんだった。
鎧兜には全部魔法がかけられて、誰かが側を通る旅にクリスマス・キャロルを歌ってみせた。
ホグワーツの飾り付けが進むように、ハーマイオニーのオシャレに関する調べ物はレンを巻き込んで進んでいった。
「私、この広がる髪をどうにかしたいの。…ほら、レンみたいにサラサラで滑らかになったらなって。」
ハーマイオニーは以前にそう呟き、何度も自分の髪を撫でたが、レンは何て言って良いかすら判らなかった。
レンは今までオシャレといったオシャレらしい事を気にかけた事があまりなかったからだ。
ただ、変にならない程度に自分の好みで動きやすい服を着て、邪魔にならないように髪を纏める。
そして首には母の形見のネックレスを提げていた事もあれば、去年ハーマイオニーから貰ったお守りのペンダントを提げていたり、ダンブルドアから貰ったピアスと、当主になった時からずっと指には、クレスメントの家紋が彫られ印としても使える指輪が1つ。
「マクゴナガル先生?」
レンは寮監でもあるマクゴナガルが授業を終えて職員室へと戻るところを捉まえ、一緒に職員室へと歩きながら声をかける。
「どうかしましたか?」
マクゴナガルは着いて来るレンに不思議そうにしながらも、どうやら話を聞いてくれるらしく視線をレンに向ける。
「オシャレってどうやったら良いんですか?」
レンの質問にマクゴナガルは思わず足を止め、持っていた荷物をバラバラと落としてしまい、咳払いを1つしながら杖を一振りし、荷物を手元に戻す。
「一体何の話かと思えば…そうですね…」
美しい女性というものは姿勢から始まるものです。凛とした姿勢で気品を持ち優雅に振舞う事が…
と、大体は当主として振舞う時の姿勢について役立ちそうな事を、職員室に荷物を置き、夕食の為に大広間へつくまでの間語ってくれた。