「レン。手紙を読んだ。闇の印が濃くなってきているというのは本当なのか?」
「えぇ。ホグワーツ特急に乗る時、ルシウスが腕を見せてくれたわ。」
レンはリーマスが出してくれたお茶を飲みながら、何て事のないという様な感じに返事を返す。
「他に何か言ってはいなかったか?」
「…特には何も。」
唇をカップにつけたまま、少しだけ視線を泳がせてそう言えば、リーマスは苦笑する。
「誰もレンを責めたり怒ったりはしないよ。正直に話してくれないかい?」
レンは小さく溜息を吐くとカップを置き、真っ直ぐに2人を見て口を開いた。
「2人に聞かせる程、大した事じゃないのだけれど…」
「構わない。話してくれ。」
シリウスも話を聞きたいらしく、真剣な眼差しを向けられ、レンは仕方なさそうな表情をする。
「ヴォルデモートは間も無く戻ってくる。だからそろそろお遊びは止めろって。私は…小さい頃からルシウスのお世話になったわ。それがレンとしてではなくクレスメントとして、ヴォルデモートの娘としてとしても。」
2人が顔を見合わせたのを見て、レンは慌てて言葉と付け足す。
「恩義はあるけれど、父のように…」
レンがそう言うと「ヴォルデモートを父と呼ぶのは止めろ!」とシリウスが唸りレンは驚いてみせると、小さく笑む。
「有難う、シリウス。…それでね。私はヴォルデモートの様には生きたくないってちゃんと言ったわ。ルシウスは考え直してくれって言って帰ってったの。」
"そう決断なさって何が得られます?…もしかすれば全てを失いかねない選択ですぞ。"
そうルシウスの言葉が頭の中で何度も木霊する。
よく言った!と褒めてくれているシリウスや、同じように少し嬉しそうにしてくれているリーマスも…皆失ってしまうのだろうか…?
レンはそう思うと曖昧に笑み、またカップに口をつけて2人と視線を合わせないようにした。
こんな不安な気持ち…悟られたくないと思ったのだ。