「レン様!こちらでよろしいでしょうか?」
「有難う、ギル。」
最後の1日は家に居て家族で一足早いクリスマスをしようと、レンは準備に取り掛かる。
ギルに眠っていたクリスマスツリーを取ってきてもらい、一緒に飾り付けをし、それが終わるとギルは料理、レンは室内や他の飾りつけをする事になった。
レンは皆で食事をする場所に、ホグワーツの天井のように、雪を降らせようと室内に魔法をかけ、庭へと出る。
魔法で雪の山を4つ作ると、手で形を整え始めた。
魔法でやるのは簡単だ。だけど…できれば2人が帰ってくるまでに、2人が喜びそうな事を自分の手で作りたい。
そう思い昼前から何時間もかけて、牡鹿と犬と狼を作り上げた。
「レン、人数が足りないじゃないか。」
パチンという音と共に姿を現したリーマスに、レンはおかえりなさいと声をかけながら小さく首を傾げると、リーマスは優しく微笑みながらレンの側へやってくる。
「上手に作ったね。」
これがジェームズ、シリウスに私だね?と作った物を見ながら言えば、レンは頷きながら恥ずかしそうに頬を染める。
「足りないって…私ネズミは作りたくないわ。」
「アイツは…そうだね、少しアイツの事は忘れておく事にして…姫梟と牝鹿が足りないんだよ、レン。」
レンは小さく首を傾げる。
「牝鹿はリリー、梟はアクアだ」
リーマスにそう教えてもらうと、レンは早速手を動かし始める。
リーマスも手伝うと言ってはくれたが、自分で完成させたいと言えば、レンのゆり椅子に座り、彼女の様子を優しく見守り続けた。


「レンは何をしてるんだ?」
黒い犬が家に帰ってきた時、ゆり椅子で様子を見守っていたリーマスの側に立つと彼に尋ねる、シリウス。
「どうしても自分1人で作りたいらしい。」
楽しそうにクスクス笑うリーマスに、シリウスは小さく首を傾げ庭へ歩き出し、側まで来ると感心した様な声を上げる。
辺りは暗く、近寄るまではっきりと見えなかったが、牡鹿と自分そっくりの犬が、リールを引っ張り合いしており、樹の側で雌鹿と狼が優しい表情でそれを見守っている。
一般的に描かれるような形のクリスマスツリーが4匹を見守るように背後に作られており、4匹はお揃いの三角帽子とボンボンのついたマフラーをしているが、1つだけ違っていたのは、犬の三角帽子がずれていて、隙間から1匹の小さな梟が顔を出し寒そうな表情をしているそれぞれは小さめだが可愛らしい雪だるまが完成していた。