第32話
正面玄関の樫の扉が開き、ダームストラングの生徒が、カルカロフと一緒に入っていくのを皆が振り返って見た。
一行の先頭はクラムで、緊張した面持ちなハーマイオニーを連れており、彼女はレンを見つけると小さく手を振ったので、レンは手を振り微笑み返した。
「あれ、ハーマイオニーか?」
「そうよ。美人でしょう?自慢したいくらい。」
クラムの相手がハーマイオニーという事に驚いている様だったが、レンは隙間から見える芝生の光景をみてジョージの腕を引っ張る。
「見て、すごく綺麗。」
城の直ぐ前の芝生が魔法で洞窟のようになり、中に妖精の光が満ちていたのだ。
何百という生きた妖精が、魔法で作られた薔薇の園に座ったり、サンタクロースとトナカイのような形をした石像の上をひらひら飛び回ったりしている。
その光景を見ながら瞳を輝かせているレンを見て、ジョージは優しく微笑んでみせた。
大広間の扉が開くと代表選手達は待たされ、先に他の生徒達が中に入るように促され、レン達は代表選手達の側を通り中に入る。
その時にハーマイオニーやハリー、セドリックはレンの顔を見ると、その緊張を帯びた表情を微笑ませたのでレンも微笑み返し大広間に入る。
大広間の壁はキラキラと銀色に輝く霜で覆われ、星の瞬く黒い天井の下には何百というヤドリギや蔦の花綱が絡んでいた。
各寮のテーブルは消えてなくなり、変わりにランタンの仄かな明かりに照らされた10人程が座れる小さなテーブルが百あまり置かれていた。
レンはジョージと共に審査員席に向かい、ダンブルドアと視線が合えば、ダンブルドアは嬉しそうに微笑を漏らし、魔法省の席に座るバグマンはレンの姿が見えると嬉しそうに微笑み側まで歩み寄る。
鮮やかな紫に大きな黄色の星を散らしたローブを着ていて、レンはちょっぴり目がチカチカした。
「ミス・クレスメント、いやー驚いた。今日は別嬪さんだな。挨拶に来てくれて嬉しいよ!」
「ご挨拶に伺わせていただくのは当然の事ですわ。」