「貰っても良い?」
「良いけど、飲みかけだし新しいのを…」
貰ってくるわ…という言葉の前に、ジョージはレンの手から飲みかけの飲み物を取り上げると一気に飲み干す。
それにレンが小さく苦笑すれば、アンジェリーナはクスッと笑って見せてから、フレッドを連れて何処かへと歩いて行ってしまい、ジョージはレンを散歩に誘ってくれ、2人は開けっ放しだった玄関ホールから外に出て歩いていく。
正面の石段を下りていけば、薔薇の園に飛び回る妖精の光が瞬き、煌いた。
レンがそれに手を伸ばすとレンを囲う様にくるくると妖精達が周り、レンはそれをどこか擽ったそうにくすりと笑えば妖精達はまた元の場所に帰っていく。
階段を下りると、其処には潅木の茂みに囲まれ、クネクネとした散歩道がいくつもの延び、大きな石の彫刻が立ち並び、少し先の方には噴水があるようで、静かな水音が辺りに響いている。
「不思議な人ね、アンジェリーナって。」
「そうか?」
ゆっくりと歩きながらレンはそう言えば、ジョージは不思議そうに首を傾げ、レンは小さく頷く。
「結構鈍いって言われたわ。私。」
レンがそうぼやけば、ジョージはまさかアンジェリーナがそんな話をしているとは思わなかったのか、咳き込み少しだけ瞳を潤ませてレンを見る。
「どんな話をしてたんだ、お前達。」
「なんでジョージが私を誘ったんだろうって話…かしら?どうして鈍いって思ったのか聞こうとした時にジョージ達が帰ってきたから話が終わってしまったけれど。」
レンがそう言えば、ジョージはハァ…と小さく溜息を漏らす。
「レンをもっと知りたかったから…かな。いや、ただ単にお前と楽しい思い出を沢山作りたいんだ、俺。」
レンが小さく首を傾げれば、ジョージは可笑しそうに笑うと少し先を歩き星空を眺めながら続きを話し始める。
「笑って、喜んで、泣いて、怒って…色々なレンを俺は見たい。知り合った頃より感情を出す様になった分、もっといろんなレンを見たいなって思って…さ。」
「そこがジョージの不思議な所ね。何もないただの"レン"に興味を持つなんて変わってるわ。」
彼の背中にそう言えば、ジョージは振り返りレンの顔を見ればにっこりと微笑んでみせる。