「こんな所で何をしていたのかしら?…あまり和気藹々の感じじゃなかったけど。」
「クラウチを探してる。バグマンはそう言ってたけど…」
「バグマンがそう言ったの?」
レンは驚いてそう言えば、ハリーは不思議そうに頷いてみせる。
「変ね、小鬼がクラウチさんを探すなんて…普通ならあの連中は魔法生物規制管理部の管轄でしょうに…」
「でもクラウチはいろんな言葉が喋れるし、多分通訳が必要なんだろう。」
ハーマイオニーの疑問に、ハリーがそう答え、レンは苦笑するしかなかった。
小鬼達がレンに話してくれた話を正直にハリーにする訳がない。
「お、わ」
ハーマイオニーと小鬼の事で討論していたロンは、入り口を見つめて声を上げた。
リータ・スキーターが入って来たのだ。
今日はバナナ色のローブを来て、長い爪をショッキングピンクに染めている。
いつものカメラマンを従えているその姿を見れば、皆その姿を睨むように見つめている。
ぼそぼそと何かを話しながら、飲み物を買い、テーブルの側を通った時、ハリーは「また誰かを破滅させるつもりか?」と大声で叫んだ。
レンはハリーの名を呼び止めようとしたが、静止する手を繋ぐように掴み止めさせると、瞳を輝かせて近付いてくるリータを睨み続ける。
「素敵ざんすわ!こっちに来て一緒に…」
「お前なんか、一切関わりたくない。3mの箒を間に挟んだって嫌だ!」
ハリーはカンカンに怒っている様だった。
繋いだ手に力が痛いほどに込められる。
「一体何の為にハグリッドにあんな事をしたんだ?」
「読者には真実を知る権利があるのよ。ハリー、あたくしはただ自分の役目を…」
「ハグリッドが半巨人だってそれがどうしたって言うんだ?ハグリッドは何にも悪くないのに!」
ハリーは叫び続け、酒場の中がしんとなっていた。
マダム・ロスメルタはカウンターの向こうで目を凝らしている。
ハリーの言葉にリータ・スキーターの笑顔が僅かに動揺したが、たちまち取り繕って笑顔に戻った。
鰐皮のバックの止め具をぱちんと開き、自動速記羽ペンQQQをとりだし、彼女はこういった。
「ハリー、キミの知ってるハグリッドについてインタビューさせてくれない?「筋肉隆々に隠された顔」ってのはどうざんす?君の意外な友情とその裏の事情についてざんすけど。キミはハグリッドが父親代わりだと思う?」
突然ハーマイオニーが立ち上がった。
その手にはバタービールのジョッキを手榴弾のように握り締めている。