「その耳と目はご主人様にお仕置きされたの?」
「その通りでございます…私めがいけないのでございます…。私は他に雇っていただける場所を探したのでございます…ですが…これを見て…皆さんお断りになったのでございます。」
「それでこの森に迷い込んだみたいなんだ。ケンタウルスが発見した時は衰弱して弱りきっていたって。元気になったから、この敷地の主に報告の為に連れてきたって言っていたよ。」
リーマスはそういえばレンに微笑みかけ、レンは困ったような表情を浮かべた。
リーマスもシリウスもそれ以上の事は何も言わない。
自分達で答えは出ているのだろうが、それ以上にレンの判断を聞いてみたいと思っているのかもしれない。
「貴方の前のお家は死喰い人のお家ね?」
その言葉に周りの皆は驚いている様子だ。
「そんな酷い仕打ちをするのは限られた人達だと思うわ。」
「仰る通りでございます。」
「貴方は純血至上主義をどう思っているの?」
そう聞いたが屋敷しもべは何も言わなかった。
それもその筈だ。
前にいた屋敷の事やご主人様の事は何ひとつ悪く言わない。それが屋敷しもべなのだから。
何も言わないと言う事は、何も言えないと言う事で、それは即ち言うことが悪い事だと思っている。
それならば、彼は純血至上主義をよくは思ってないという事になるだろう。
「森で親切にして下さった方にお聞きしましたでございます。貴女様のお話を…私めは此処にお仕えしおりました同胞が羨ましく思いましたでございます。」
「その子は、私の所為で殺されてしまったのよ。ある人達は私の身代わりに死んだって考えているみたいなの。」
そう悲しそうな笑みを浮かべて言えば、屋敷しもべは顔を上げて顔を横に振った。
「それでもでございます。」
「貴方は…どうしたいの?」
「もし屋敷しもべが他にいらっしゃらないのでしたら…置いて頂きたいのでございます。私には帰る所がないのでございます。」
申し訳なさそうにそう言う屋敷しもべに、レンはシリウスとリーマスを見れば、2人は笑みを浮かべただけで何も言わない。