「私は貴方のご主人様になれない。」
そう言えば屋敷しもべは絶望的な顔をし片目の大きな瞳に涙をいっぱい浮かべ、リーマスもシリウスも残念そうな溜息が漏れた。
「だけれど、お友達として此処に居てくれるのなら歓迎するわ。」
「お友達…で御座いますか?」
「私は権力とかで人を従わせるのは嫌いなの。だから此処に居たいのならば友や家族と思ってもらいたい。それなら此処で何しようと私は何も言わない。その代わり気に入らない事があれば言うし、素敵な事をしてくれたらお礼も言うわ。」
リーマスとシリウスは嬉しそうに互いを見合わせ、屋敷しもべは少し意味が判っていないようで少し考えれば段々とその意味を理解し涙をポロポロと零し始めた。
「こんな…屋敷しもべを同等に扱ってくださるなんて!有難うございますご主人様!」
「違うわ。名前で呼んで頂戴。私の名はレン…貴方の名前は?」
「ギルと申しますです。」
嬉しそうにキーキー言いながらギルは自己紹介をしてくれる。
「私めはレン様の為に何でもしますで御座います。お食事お掃除何でもお任せ下さい。ご用事なんでも喜んでやらせていただきます!」
「ギル、そうじゃないんだよ?レンはお友達になって欲しいんだ。此処でギルはギルの思うように自由に動けばいいんだよ。」
リーマスは優しくそう教えればギルは大きく頷く。
「ただ、私からは此処にいる為に守ってほしい事を言わせて貰いたい。」
シリウスはギルを見て厳しく言えば、ギルはビクッとしてから姿勢を正す。
「レンを裏切るような事は決してしない事。屋敷の外でこの屋敷や我々に関わる事は言ってはいけない事…守れるかね?」
「勿論でございます!貴方様方は私の命の恩人でございます!此処に死に朽ちるまで私めはお仕えしますでございます!」
レンはギルを見て少しだけ微笑んだ。
ギルは自分の潰れた眼球の無い瞳を見られるのが嫌なのだろう、直ぐにそっぽを向いてしまう。
「ギル…言っておくけれど、私、純血至上主義は嫌いよ。それに肩書きや外見だけで人を判断して避け嫌う事も。…けれど此処には純血至上主義の方も出入りをする事があるし、その方にはそれ相応の対応をさせてもらっているの。貴方も同じように考えてくれたら嬉しいわ。」
「判りましたでございます。」