「当主になった時、私は色々な物を失ったわ。色々な人が私を見る目が変わったし、苦情の声の手紙も多く届いていた…呪いの魔法がかかった手紙も届いて考えもせずに開けてしまって、好きでこうなった訳じゃないのに!って思ったりもしたわ。」
ハグリッドはその事を知らなかった様で、視線を泳がせながら明らかに動揺の色を見せる。
「確かに、あの時の私は物事を上手く考えられなかった。酷い人だったけれどたった1人の血の繋がった伯父様夫婦や育て親みたいなシャルを失ったばかりだったから…けれど、私はクレスメントの血を恥じた事はない。」
レンは真っ直ぐにハグリッドを見ながら、少しキツイ口調で言葉を続ける。
「誰も自分の運命から逃げたりしないわ。例え死ななければいけなくても、私は家族や今までの自分を誇って死ねる。ダンブルドア先生だって、先生の弟さんだって、ハリーだって…勿論ロンやハーマイオニーも…ちゃんと問題と戦ってる。ハグリッド…恥じる必要はどこにもないのよ。貴方が半巨人だから今の貴方があり、そして今の貴方を、此処に居る私達全員が大切に思ってる。嘘だと思わないでね?もし嘘だったら私達は此処に居ないもの。」
「そうよ、ハグリッド…お願い、帰ってきて、教えて。…私達貴方が居ないととても寂しいわ」
ハーマイオニーもレンに続きそう言葉を続けた。
ハグリッドがゴクッと喉を鳴らした。
涙がボロボロと頬を伝い、モジャモジャの髭を伝った。
「レンの言う通りじゃよ、ハグリッド。」
そういうと、ダンブルドアは立ち上がる。
「辞表は受け取らぬぞハグリッド。月曜に授業に戻るのじゃ。明日の朝8時半に、大広間でワシと一緒に朝食じゃ。言い訳は許さぬぞ。…それでは皆、元気での。」
ダンブルドアは、ファングの耳をカリカリするのにちょっと立ち止まると、レンの方に視線を向ける。
レンは小さく頷けはダンブルドアは外に出て行ってしまった。
レンも皆に軽く挨拶をすると、ダンブルドアを追う様に小屋を後にする。
「すまんの。出て来てもろうて。」
「いいえ、ダンブルドア先生ならいつでも大歓迎です。」
レンがそう言うと、ダンブルドアは優しく微笑んでみせる。
一緒にゆっくりと城の方へと向かって歩きながら、ダンブルドアは言葉を続けた。