「レンはワシに何か聞きたい事がある様に思えたのじゃが、何かあったのかの?」
「何かあったって程でもないんです。ただ…」
言葉を選びながら、困ったような表情を浮かべてダンブルドアを見れば、その瞳は好奇心に満ちてキラキラと輝いている。
「バーティ・クラウチという方が、どのような方か教えて頂きたくって…」
「そうじゃの…厳しい男じゃ。特に闇の魔術に魅入られた者には厳しい決断をしてきておった。」
「ご家族は…?」
「妻と、同じ名の息子が1人おったが…2人とも亡くなってしもうた。」
同じ名の息子という言葉に、もしかして、スネイプの研究所に忍び込んだのは息子なのではないかと思った。
が、亡くなったと聞き、レンは見えかけた扉がまた遠退いた気がした。
「どうして亡くなられたのですか?」
「死喰い人じゃったのじゃ。バーティはとても苦しんだが、差別なく息子にアズカバン行きを下したのじゃ。…どうしてそんな事を聞くのかの?」
「いえ…校内でクラウチさんを見かけたって噂を耳にして、どんな方か気になって。」
そんな厳しい方が仮病を使ってまでホグワーツにくる事はないですねと、レンは小さく笑って誤魔化した。
それから2人は他愛もない会話をして暫しの時を過ごしたが、寝る時間になると、レンは1人で談話室に向かって歩いていく。
だが、1つ気になる事があり、レンは方向転換をし、ある場所を目指す。
そこは…スネイプの所だ。
研究室の辺りへ行けば、其処にはスネイプが居た。
「どうしたのかね?こんな時間に。」
レンが研究室を荒らし、また荒らしに来たのかもしれない。
そう思われると覚悟していたが、スネイプは普通だった。
「えっと…少々お訪ねしたい事がありまして…。」
「入りたまえ。」
そう言われて促された部屋は、その隣にある教室だ。
スネイプと2人っきりで、地下の教室…。
何度か体験している事ではあるが、何処か気不味い様な空気が流れ、スネイプは「で?」と話を促す。