「でも…貴方を守る為に、私が忍び込む先は教えないし調べようとはしないで頂戴。貴方がもし何か企んでるって思われて拉致監禁、そして拷問なんてされたら…。」
その現場を嫌でも想像してしまえば、思わず目頭が熱くなり、レンは俯くと、そんなレンを軽く抱きしめポンポンと背を撫でてくれるジョージ。
「ん。大丈夫さ、そうはならないから。それよりも、だ。合言葉を決めておかねーと。」
わしゃわしゃと髪を撫でてはレンは小さく鼻を啜っては、大きく頷く。
「他の人には思いつかなそうな言葉が良いわ。」
「“悪戯完了”ならどうだ?あの地図を知ってる奴にしか判らないし、レンからそんな言葉が出るとは思わないだろ。」
「私ってそんなにお固く見えるの?」
見える奴には見えるんじゃないか?と笑いながら言うジョージに、レンは不服そうに頬を膨らませ、2人は寝室を出て行く。
「必ず、生きて帰って来いよ。」
そう小声で呟くように言うジョージに、レンは安心させるように微笑んで見せる。
「夏の休暇には、レンの家に遊びに行って良いか?」
「えぇ、歓迎するわ。」
「色々案内してくれよ。例の森とかさ。」
「そうね、約束する。」
ジョージとレンが戻ってくる姿をフレッドとリーが観れたのはそれから間も無くの事で、階段を先に降りたジョージが後ろのレンに悪戯され驚かされては、仕返しにと髪をくしゃくしゃにされているレンの姿だった。
それから3日後。
とうとう第2の課題が行われる日となった。
リーマスとシリウスに手紙を出す事は、結局出来なかった。
暫くの間、手紙を書きまとめ、それを定期的に出してもらう事も考えたが、流石にリーマスへの薬の事を考えるとそれは無理だった。
何かあれば必ず知らせる事。そう言われてはいたが、友を疑わなければならない事は辛い事だと以前に聞いた事もある。
シリウスもリーマスも互いに互いを疑い、長い間辛い思いをしてきた。
それを今度は友であるムーディを疑え…そういう手紙をたかが仮説で送る事がどうしても出来なかった…辛い思いをさせたくない…。