「これはこれは!時の人ルード!」
ルードと呼ばれる人物は、これまで出会った人の中でも一番目立っていた。
鮮やかな黄色と黒の太い横縞が入ったクィディッチ用の長いローブを着ていて、胸のところには巨大なスズメバチが一匹描かれている。
逞しい体つきの男が、少し弛んだという感じの男で、元々はイングランド代表チームでプレイしていた名選手だったらしい。
彼の顔はいつまでも少年の心を忘れていない、そんな輝きを持っている人だった。
「よう、よう!我が共アーサー!」
彼はフーッフーッと息を切らしながら焚き火に近付く。
「どうだい、この天気は。え?どうだい!こんな完全な日和はまたとないだろう?今夜は雲ひとつないぞ…それに準備は万全…俺の出る幕は殆どないな!」
彼の背後をげっそりとやつれた魔法省の役人が数人、遠くの方で魔法火が燃えている印の花火を指差しながら急いで通り過ぎた。
魔法火は6mもの上空に紫の花火を上げていた。
パーシーが急いで歩み出て握手を求めた。
彼の担当の部を取り仕切るやり方が気に入らなくても、それはそれで彼に好印象を与える方が大切なのらしいと耳元でフレッドが囁く。
「あぁ、そうだ。」
アーサーはニヤリとした。
「私の息子パーシーだ。魔法省に勤めたばかりでね。…こっちはフレッド…おっとジョージだ。すまん、こっちがフレッド。…ビル、チャーリー、ロン、娘のジニー…それからロンの友達のハーマイオニー・グレンジャーとハリー・ポッターとレン・クレスメント」
「クレスメント!」
ハリーの名を聞けば、ハリーの額にある傷痕を探る様に目が動き、そしてレンの名を聞けば驚いた様に瞳を丸くする。
そして彼は立ち上がりレンの前に瞳を輝かせてやってくれば両手で手を握りブンブンと振る。
「ルード・バクマンだ。」
「初めましてバグマンさん。レン・クレスメントです。以後お見知りおきを。」
そう作り笑いし挨拶をすれば、アーサーは子供達に「この人のお蔭で良い席が手に入ったんだ」と教えていた。
それがバグマンにも聞こえたのだろう、レンの手を離し、そんな事はどうでも良いと人の良さそうな笑顔を浮かべて手を振った。