「あそこに居たのはクラウチさんじゃないわ。青白い顔にソバカスがあって茶色の髪色をした人よ。ロンのお父様にレンがそう話していたでしょう?それに、レンが残してくれたヒントとかみ合わないわ。香りとシリウスが話した内容…何1つ含まれてないもの。」
シリウスは何か確信があるかのような表情を一瞬見せたが、すぐにそれを消す。
「レンがこう手がかりを残す事を考えたという事は、それ相応の確信があり、自分が帰れなくなった時の為の手筈は打ってあると思う。この事は少し私に任せてはくれないか?」
その言葉に、ハーマイオニーを含め3人は渋々と頷いた。
それからも話は続いた。
バーティ・クラウチがシリウスを裁判もせずにアズカバンに入れてしまった事。
魔法省大臣には彼だと噂されてはいたが、息子が死喰い人だった事が知られ、今の地位に落ちた事。
そして、彼の息子はアズカバンで死を遂げ、間もなく妻も死に、家名が酷く落ちた事。
シリウスは色々と話してくれ、3時半にもなった頃、ハリー達は城に帰る事になった。


休日明けの朝、ハーマイオニーの元に何通もの手紙が届いた。
内容はどれも同じだ。
『お前は悪い女だ。ハリー・ポッターはもっといい子がふさわしい。マグルよ戻れ。元いた場所に。』
そういう内容だ。
スキーターの書いた記事を読み、それを真に受けた人達からの苦情の手紙にやりきれない気持ちに襲われ、それにとどめをさすかのように、腫れ草の膿の原液に襲われ、指が腫れ物だらけになってしまう。
「スプラウト先生には僕達が言っておくから、医務室に行っておいで」
ハリーがそう声をかけてくれ、ハーマイオニーは涙目で医務室に向かう。

マダム・ポンフリーに手当てをしてもらっている間、ハーマイオニーの瞳から涙が止まる事がなかった。
不安で惨めで悔しくて…これをきっかけに、今まで耐えてきたレンを失ってしまうかもしれない恐怖や不安、そんな色々な感情が一斉に襲ってきていた。