「次の授業まで此処で休んでいなさい。」
マダム・ポンフリーは何かを察したのか、優しくハーマイオニーの頭を撫でてそう言えば、ハーマイオニーは小さく頷き、ベッドに横たわり、枕に顔を押し付け声を殺して泣いた。
「レン…貴女に逢いたい。何処に居るの…?」
ハーマイオニーの小さな声は彼女に届く事も無かった。
そしてこの時程レンが自分にとってかけがえのない親友で頼りにしているのだという事を思い知った事はなかった。

それからも暫くの間、ハーマイオニーを憂鬱にさせる事は続いた。
毎日手紙は届くが、ハグリッドがそんな物は燃やしてしまえと教えてくれ、それに従う事にした。
ハグリッドが半巨人だと書かれた時も同じ様に非難の手紙が届きそうしたのだと言う。
ハグリッドの話だと、レンが当主になった時もそうで、自分宛に届いた手紙を「そうするべきだ」と燃やしてくれたのはレンだったのだそうだ。
吠えメール以外は全部燃やし、自分達は恋人同士じゃないと否定し続け、心が挫けそうになる。
ハーマイオニーはこの手紙が届き始めてから、レンのベッドで眠る事にした。
レンが帰ってくればすぐに判るし、どこか身近にレンの存在を感じていたかったからだ。
どこかでレンも頑張っているのだ…自分がこれくらいの事で挫けてどうする。
そう自分に言い聞かせた。

あの記事から数日後、驚くべき事が起きた。
この事の前のイースター休暇の時は、ロンの母親がスキーターの記事を信じている事が判り、また違った意味での衝撃はあったが、それはもうスキーターの秘密を暴く事で彼女自身に仕返しをする事に熱意を向ける事にした。
『ハリー・ポッターの新たなる悲劇。』
そういった題名でスキーターが記事を書いている。
ハーマイオニーが驚きの声を上げれば、一緒に朝食をとっていたロンとハリーが不思議そうに此方を見たので、ハーマイオニーは少し小さめに声にして読む事にした。
「先日我々は、ハリー・ポッターの胸の傷を報道し、ふさわしい人物が現れるようにと願ったばかりだったが、我々の心配は無用だったようだ。
当記者は、ホグズミードにてハリー・ポッターと仲良く手を繋ぎ歩いている1人の女性の姿を目撃している。
そう、ハリー・ポッターは新たなる恋を掴んだのだ。
その相手は魔法界の王女と言うべきであろう、かの最年少当主、レン・クレスメントだ。
だが、それと同時に当記者は新たなる悲劇を掴んでしまった。
ハリー・ポッターの恋が叶ったのもつかの間…彼女がホグワーツで行方不明になっているのだ。
かのクレスメント家最後の生き残りの行方不明に、当然校長のダンブルドアも何らかの手はずをとっていると信じていたのだが、残念ながらその動きは見られない事に驚きを隠せない。
当局は彼女の身の安全と、ハリー・ポッターの心が安らぐ日が一刻も早く訪れる事を願うばかりである。」
ハーマイオニーはそう読み終えるとハリーの方を見る。