何故レンはそれを直ぐダンブルドアや自分に言わなかったのかという事だ。
ムーディを捕らえる事が出来る程の実力の持ち主に、自分が敵わないのは直ぐに判る事だ。
彼女の母親ならば、挑発されない限りは、確信めいた仮説があれば誰かしらに話し協力を仰ぐ性格だ。
負けず嫌いで意地っ張りな一面もあったが、自分の得手不得手は理解しており、得意とする者に得意な事をしてもらった方が効率が良いという考えの持ち主だった。
彼女の血を引いた娘が、なぜこの様な事を…敵わない事が判らぬ程無鉄砲な娘だったのだろうか…?
何日か、事件の成り行きを見守りながら考えていれば、1人の訪問者が訪れる。
もう1人の父親、リーマスだ。
「ダンブルドアから此処だろうと聞いてね。」
そう言い、差し入れだと食料を持ってきてくれたのは有難い。
が、ダンブルドアには全てお見通しな事に若干驚きつつも感服した。
食事を取りながら、自分の考えをリーマスに話して聞かせる。
悔しいが、親としてのレンとの付き合いはリーマスの方が長く、よりレンを理解しているのは彼の方だ。
「うん、そうだね…シリウスの考えは間違ってはいないと私も思う。レンは一昨年ポリジュース薬を作っている。そんなに香るほどキツイ匂いはしないが、レンは色々な物を”香り”と表現する所があるしね。鼻が利くのか他の意味なのかは判らないが、間違いないとは思う。」
「だったら何故それをダンブルドアや周りに言わない?それが判らぬ程の娘ではないとは思うんだが…。」
「こう言ってはなんだけれどね、そういう時の行動パターンはアクアよりも、シリウス、キミに近いんだよ。時に大胆で時に信頼する者の為ならば自分の命も惜しまず献身する。」
リーマスの言葉に、自分の行動をそう言われてしまえば、そうか?と首を傾げ、リーマスは少しだけ口元を緩ませては頷き言葉を続ける。
「それにアクアからうけ継いでか洞察力が鋭く、キミ達の子と証明するように聡く行動力を持っている。…シリウス、あの子は自分の手を汚しそれで皆が平和に過ごせるなら、自分を犠牲にする事を躊躇わない。本当に心の優しい子なんだ。」
「それが、アイツが突っ走る原因になっているのは私にも判るが…」
シリウスはそう言うと、ハッとした様に「まさか…」と呟けば、リーマスは小さく頷く。