「もし今のムーディが偽者だとすると、ダンブルドアに友人を疑えと言う事になる。そして私達もムーディを良く知ってると言った。以前、私は言った事があるんだ、友人を疑う事はとても苦しい事だと、ね…。たかが仮説でダンブルドアや私達にそれをさせる訳にはいかないと、証拠を掴みに行ったんだと思う。…まぁあの子の事だ、『証拠がなければ信じてもらえないかも』そんな不安もあったかもしれないが。」
「ならば納得できる。レンが居なくなったのは第2の課題…第2の課題はあの湖で行われていた。…絶好のチャンスじゃないか!」
「だが、レンは手がかりを残す手段を選んだ…という事は少なからず失敗する可能性があると思っていた…けれどハリー達には試験に集中して欲しいという願いがあった筈…。」
こんなメモを残して安心させようと思ったのだろうか…というリーマスの呟きに、シリウスはもう既に答えが出ていた。
「下手な動きをとらせない為だろう。今まで靄がかかっていた部分がはっきりと繋がった。レンは自分が行方不明という事実をひとつの証拠にし、それで信じてもらう手段を何処かに残している筈だ。失敗をただの失敗に終わらせる女じゃない!」
「それならば…その手がかりを持っているのはウィーズリーの双子が有力だろう。」
リーマスははっきりとそう言うと、シリウスは小さく首を傾げる。
「彼らは私達と同じくらいにレンを信頼し大切に想ってくれている。レンがハリー達以外に頼ろうとするなら彼らしかいないだろう。」
リーマスと話し合ってからシリウスは、その双子に手紙を書いた。
『突然こんな手紙を貰い、怪しむのは良く判る。だが、警戒せずにどうか耳を傾けてはくれないか?
昨年キミ達の教師だったリーマス・ルーピンからレンが頼るのならキミ達だろうという事を聞いた。
誰にも言わずにホグズミードにまで出て来れる日はないか?レンの事で話を聞きたい。』
正直、こんな手紙を自分から出しても、普通の人間は怪しむだろう…。
だが、やれる事は全てやっておきたい。
それから返事を待ちつつも、毎晩ホグズミードを散歩のふりをして巡回をしていた。
もしレンが捕らえられているのならば、どこかに移動させるために城から出るはずだ。
まだ移動させられていない事を祈りながらも自分にはこうする他何も出来ないのが悔しくて堪らなかった。