「あの父親は、妻の命の灯火が消えかけている事を知ると、最後の願いを聞き入れた…ポリジュース薬を作り、息子と妻をすり替えたのだ。」
吸魂鬼には目がない為にその計画は意図も簡単に成功した。とヴォルデモートが話せば、レンは驚きを隠せなかった。
これも親の愛の1つなのだろうか…と考えると、何処か理解出来ない自分がいたのも確かだった。
「その後父親は、息子に服従の呪文をかけ、従わせ続けてきた…が、その事を知ったバーサ・ジョーキンズが、俺様にそれを簡単に話してくれた。」
レンが言葉を挟まない事を良い事に、ヴォルデモートは話を続けた。
ヴォルデモートの話によると、父親のクラウチはしもべ妖精の願いを聞き入れ、透明マントをかぶせてクィディッチワールドカップに連れて行った時の事、ヴォルデモートが敗れた後、直ぐに寝返った死喰い人達による死喰い人としての騒ぎに、その魔法は解け、怒りのあまりに盗んだ杖で闇の印を打ち上げた。
そのマークに魔法省の人間が集まり、四方八方に打ちはなった失神呪文の1つに当たり、気を失ったところを父親に発見され、再度服従の呪文をかけて家に連れ帰られたそうだ。
それから間も無く、バーサから聞いた話を信じて、ヴォルデモートがクラウチの家にやってきた。
そして父親に服従の呪文をかけると、息子は魔法から解き放たれた。
そしてヴォルデモートは彼に聞いたそうだ。
"俺様の為に、あらゆる危険を犯す覚悟があるか?"と…。
その問いに息子は直ぐに頷いた。
それからは、ムーディを捕らえさせ彼に化けると、ホグワーツに入り込み、計画の為に動いているのだという。
だが、ヴォルデモートはそれ以上は話す気は無い様で、そこまで話すと話すのをやめてしまった。
「愛って様々な形があるのね。」
「実にくだらない、愚かしい感情だがな。今回は十分に役に立った。」
父親や母親の愛がヴォルデモートに利用される結果となり、今回の事件を起こしてしまったのかと思うと、何処かやるせない気持ちでいっぱいになった。
「貴方は…娘の私を愛してくれてる?」
「愛して欲しければ、それ相応の働きをしてみせるのだな。」
レンはふと気になり試しに言ってみると、予想通りのヴォルデモートの言葉に小さく息を吐いた。