何度目かの夜を迎えたある日、ヴォルデモートは「そろそろだ」と自分をワームテールに抱きかかえさせレンに先頭を歩かせて墓場へと歩いていく。
ヴォルデモートは黒い大人のローブに包み込まれ、ワームテールもローブに身を隠しレンだけがクラウチにローブを奪われ、ホグワーツの制服でスカートが一部切れ短くなっている…そんな姿で少々寒く感じる。
墓場が見えてくると見知った姿が見える。
「レン!!」
ハリーとセドリック…レンはその2人を見つけると一気に血の気が引いた。
「杖をしまわないで!ヴォルデモートが居るのよ、早く逃げて!!」
そのレンの訴えにセドリックもハリーも驚いた様にし動こうとはしないが、邪魔をするなとピーターに弾き飛ばされ、レンの体は地に倒れ、ナギニがその体を縛り上げる。
自分達とハリー達の距離は僅か2m前後…。
「早く逃げて!」
きつく蛇が巻きつき、痛みに眉を顰めながらもレンはそう言う事を止めなかった。
「キミをおいてはいけない!」
セドリックはそう言い、ハリーは傷痕に激痛が走っているのか、両手で顔を覆い膝をおって地面に座り込んでいる。
「私の事はいい!お願いだから逃げて!2人を死なせたくはないの!!」
「余計な奴は殺せ!」
ヴォルデモートの指示が飛ぶと、ワームテールの呪文とレン呪文が響き渡り、緑の閃光は彼の足元にある意思を浮上させ呪文に当てれば砕け散る。
セドリックが有難うとお礼を言いきる前に「早く!」と逃げる事を促すが、彼はとても誠実なのだろう、レンをその場に残して優勝杯を引き寄せて帰る事がはどうしても出来ない様で、それがレンの事を更に焦らせた。
死んでしまう…もう守れないと自分の無力さを痛感するのはこりごりだ。
レンは強く心の中で叫んだ。
誰でも良いからセドリックとハリーを助けて欲しい。
今すぐにこの場から立ち去らなければ2人は殺されてしまう…。
大蛇の締め付けを何とか振り払おうとするが、もがけばもがくほど大蛇はきつく締め上げ、今までろくな食事もしておらず、杖もないレンにはその大蛇をどうにかする術はどこにもなかった。
「お願いだから逃げて!!」
「早くしろ!」
「止めてー!!」
ヴォルデモートのその言葉に、ワームテールはもう一度アバダケダブラを唱え、レンもそれをどうにかしようとしたが、蛇の締め付けに腕はおろか指すら動かせず、緑の閃光がセドリックの胸を貫き、セドリックは地に倒れて動かなくなってしまった。