レンの悲痛な叫び声にハリーは激しい頭痛で顔を顰めながらも今何が起こったのか見て呆然としている様だった。
ワームテールはヴォルデモートを下におき、杖明かりをつけると、ハリーを大理石の墓石の方に引き摺りレンは叫び静止させようとするが、止めようとはしない。
「止めなさい、ピーター!」
レンはとっさに強い口調でそう叫べは、ワームテールは驚いた様にびくつきレンの方を見て目を見開く。
だが、直ぐにヴォルデモートを見れば、そのままハリーを杖から出した頑丈な縄で墓石に縛り付けてしまう。
「お前だったのか…!」
ハリーはワームテールの姿を見れば、そう憎たらしそうに言い、ワームテールは何度抵抗され殴られようともしっかりと縛りつけ、尚且つ縄目の堅さをしっかりと確認してからハリーの口に黒い布を押し込み、その口を塞ぐ。
ハリーの直ぐ近くに置かれたローブの塊…ヴォルデモートは待ちに待った瞬間なのだろう、興奮を隠し切れない様でモゾモゾとその中で動き、ナギニは器用に体の一部でレンを縛り上げたまま残りの体を使い、レンを引き摺りながら墓石の側まで滑り寄り、動きを止めれば、レンが喋れぬ様に口までをしっかりと締め付け、その瞳は真っ直ぐにハリーを捉えている。きっとハリーが変な動きをしないように監視しているのだろうとレンは思った。
ワームテールは息を切らせながら、何処かから大きな大鍋を押して運んできた。
その鍋は大人1人が入れそうなほど大きく、並々と液体で満たされている。
定位置に運び終えれば、杖を使って不器用そうに火を点け、その中の液体は直ぐに熱くなった。
表面がボコボコ沸騰し始めたばかりではなく、それ自身が燃えているかの様に火の粉が散り始めた。
湯気が濃くなり火加減を見るワームテールの輪郭がぼやけ、包みの中の動きがますます激しくなった。
「急げ!」
今や液面全体が火花で眩いばかりだった。
こんな状態ではなかったら、その宝石を散りばめた様な物を綺麗だと思う余裕もあっただろう。