賭け事が悪いとは言わないが全財産賭けるのはどうかと思ったのだ。
それに例え当たったしても、この人がそのまま逃げてしまったらどうするのだろうか…。
(父親の友人ではそれはないとは思うが…)
「バーサ・ジョーキンズの事は、なにか消息があったかね?」
世間話をしていれば、ふとアーサーがそう言ったのが耳に入りレンはそちらの方に耳を傾ける。
「なしのつぶてだ。ただその内現れるさ。あのしょうのないバーサの事だ、迷子になったに違いないさ。」
「そろそろ捜索人を出した方が良いんじゃないか?」
「バーティ・クラウチはそればかり言っているな。」
「そうだ…レンちょっと良いかい?」
そう言われてレンは皆と一緒にバグマンが座っている草むらの方へ行き、其処に腰掛ける。
するとアーサーは「少し人を探してもらいたいのだが、大丈夫かね?なにか必要な物とかあるのかね?」と聞く。
「その者の魔力が感じられる物なら…写真とか物とか…私と親しい人なら別に何も要らないわ。覚えているから。…でもこの辺りで、となると魔力が多すぎて正確な位置は判らないわ。」
レンはそう説明すれば、アーサーは「ものは試しさ。」とバグマンに言い、バグマンはニッコリと笑いながらアーサーに言われた通りバーサという人物が複数の人物と写っている写真をレンに手渡した。
「近くか遠くか…なんでも良い、感じた事を教えておくれ。」
レンは手渡された写真に手を翳して瞳を閉じた。
実のところ、この魔法は疲れる…対象の人物が多くなったり遠くにいたりすれば尚更だ。
だが、アーサーの頼みだし、別に構わないだろうとレンは深呼吸すれば意識を集中させる。
マグルに見られない様に子供達がレンを囲んでいて、レンの翳した手からは淡い光が漏れ始め、1人にひとつの光の玉、といった様に光が球体になれば、その場でクルクルと回ったり、レンの周りをくるくると回って登っていき耳元で一瞬光れば消えていく……レンは術を止めてゆっくりと瞳を開いた。
「どうかね?」
「この写真に写っている、この人は此処から南のそう遠くない所にいるわ…この人が南東の方角…少し感じる波動が少ないから正確じゃないかもしれない。それからこの人は魔力は感じるのだけれど場所は特定できない。2人とも遠くにいるんだと思うわ。それとこの人は、会場の方から魔力を感じる。」
此処まで言えば場所を言った者は正解だったのだろう、バグマンは感心したような声をあげた。
「で最後のこの人は魔力は感じないわ。」
「と言うと?」
「申し上げ難いのだけれど、亡くなっている可能性が高いわね。強い魔力を帯びた森とかに迷い込んでいる事を願いたいけれど…この人自身に魔力を感じないのは…多分…。」
小声でそう言うと、アーサーは「有難う」と微笑んで見せたが、バグマンはその結果を信じていないのか「なら迷い込んだだけだ。」と声をあげて笑った。