「俺様は失望した…失望させられたと告白する」
1人の死喰い人が突然輪を崩して前に飛び出した。
頭から爪先まで震えながらその死喰い人はヴォルデモートの足元にひれ伏し「ご主人様、お許し下さい!我々全員をお許し下さい!」と悲鳴の様な声を上げて請うたが、ヴォルデモートは笑い出し拷問の呪文をその者にかけた。
周囲の家にまで聞こえるに違いないと思う程の叫び声をあげ、暫くするとヴォルデモートは満足したのか杖を下げ、拷問された死喰い人は息も絶え絶えに地面に横たわっていた。
「起きろ、エイブリー」
ヴォルデモートが低い声で言った。
「立て。許しを請うだと?俺様は許さぬ。俺様は忘れぬ。13年もの長い間だ…お前を許す前に13年分のツケを払ってもらうぞ。ワームテールは既に借りの一部を返した。そうだな、ワームテール」
ヴォルデモートは泣き続けているワームテールを見下ろした。
「貴様が俺様の元に戻ったのは忠誠心からではなく、かつての仲間達を恐れたからだ。ワームテールよ、この苦痛は当然の報いだ。解っているな?」
その言葉にワームテールは「はい、ご主人様」と呻いた。
ヴォルデモートはワームテールが自分の体を取り戻す為に働いた事を評価する事を述べると、杖を振り上げ、空中で回す。
回した後に溶けた様な銀の様な物が一筋輝きながら宙に浮き始め、一瞬何の形もなく捩れる様に動いていただけだが、やがてそれは人の手の形になり、月光の様に明るく輝きながら舞い降りて、ワームテールの無くなった手の部分にはまった。
ワームテールは急に泣き止んだ。
信じられないという表情を浮かべ自分の手にはまった銀色の手を自分の意のままに動かせる事を確認すれば、ヴォルデモートに礼を言いながらそのローブにキスをした。
「ワームテールよ。貴様の忠誠心が二度と揺るがぬ様」
「我が君、決して…決してそんなような事は…」
ワームテールは立ち上がり、顔に涙の後を光らせ、新しい力強い手を見つめながら輪の中に入り、レンを掴んでいるその男の隣に並んだ。