「我が娘が父親の復活までは辿り着けなかったものの、父の忠実なしもべがホグワーツに忍び込んでいる事をほんの僅かな情報から辿りついた事を聞き、俺様はそこに娘の力も混ぜる事にしたのだ」
「私の髪を切り混ぜたとしても、クレスメントの力はお前には使えない。」
「そうだ、クレスメントの素晴らしいその力は、その血肉と魔力、精神力…ありとあらゆるものに宿る…だが、お前のその魔力は父を蘇らせ力を与えるのには随分と役に立った。我が娘よ、感謝しよう。」
レンはきつく唇をかみ締め、そこにじわりと血が滲む。
「忠実なるしもべの計らいで、この小僧の名前を炎のゴブレットに入れ、試合に必ず勝つ様に仕向け、最後には移動キーとなった優勝杯で此処へ来る様に仕組み、この通りこの小僧は此処に居る。俺様の凋落の元になったその小僧が…」
ヴォルデモートはゆっくり進み出てハリーの方に向き直り、杖を上げるとそのまま拷問の呪文を唱え、ハリーの口を塞がれて言葉にならない悲鳴と、レンの悲鳴と死喰い人の笑い声が闇を満たして響いている。
「見たか。この小僧がただの1度でも俺様より強かったなどと考えるのはなんと愚かしい事だったか。しかし誰の心にも絶対に間違いがないようにしておきたい。」
ヴォルデモートはハリーにチャンスをやると戦う事を許すと、ワームテールにハリーの縄を解く事を命じた。
ハリーが縄と口に入れられていた布を取り除かれるのと同時に死喰い人達は輪を縮めハリーが逃げられぬ様に隙間を埋めた。
レンは何とか逃れようともがいてみせたが、ルシウスはその手を放そうとはせず、手が痛いほど強く掴んでいる。
ワームテールがセドリックの亡骸の所まで行くとハリーの杖を拾い、ハリーに強引に杖を押し付けると、彼もまた死喰い人の輪の中に入っていく。
「ハリー・ポッター…決闘のやり方は学んでいるな?…ハリー互いにお辞儀をするのだ」
ヴォルデモートは真っ直ぐにハリーを見続けながら腰を折りお辞儀をしたがハリーは何を言われても頭を下げようとはせず、逆らい続け、ヴォルデモートは杖を一振りし無理矢理に頭を下げさせれば「よろしい」とその力を解く。
「さぁ、今度は男らしく俺様の方を向け…背筋を伸ばし誇り高く、お前の父親が死んだ時の様に…さぁ決闘だ」
ヴォルデモートは杖を上げ、ハリーがなんら身を守る手段をとる間も無く拷問の呪い…そう、先程の磔の呪いをかけ、辺りに大きな悲鳴が響き渡る。