そして片手で追い払い呪文を使い、ハリーをセドリックの元へと飛ばすが、ハリーはなかなか呼び寄せ呪文を優勝杯にかけようとしない。
「レン、嫌だ!僕…!」
「何があっても必ず戻るって約束する。生きて必ず帰るから!もう泣き喚くだけで何も出来ないのは嫌なの。私も何よりも大切な家族を護るくらいの力はあるわ。2人共生きて帰るにはこの方法しかない!貴方だけは何があっても死なせたくはないのよ。お願いだから…私にも貴方を護らせて?」
それでも瞳にいっぱい涙を浮かべ首を横に振るハリーに、レンは半ば強引に優勝杯に追い払い魔法をかけハリーの方に飛ばすと、微笑みを絶やさずに、その姿が消えるのを見送った。

他人の杖の為、自分の力が十分に発揮できていなかったのか、又は自分の精神状態が不安定だったのか、体調の問題かは判らない。
幾つもの閃光が結界に当たっては砕けてはいたが、いくつかがそれを貫きレンの肌を切り裂く。
そして、ヴォルデモートが側まで来ると、其処にハリーの姿がない事に怒りの声を上げた。
「いくら叫んだって何をしたってハリーは此処にはもう居ないわ。ダンブルドアの元に返したもの。」
次の瞬間ヴォルデモートはレンに磔の呪いをかけ、レンの体は何度も体験がした事のある激しい痛みが体中を襲うが、レンは必死に悲鳴を堪えた。
悲鳴を上げてなるものか…痛みに負けてなるものか…。
何一つお前には従わない、お前の思い通りにはならない。
そういうレンの強い意思がそうさせた。
何度も何度も魔法をかけられ、意思とは逆に何度か悲鳴を漏らしてしまったが、杖を手から離す事はなかった。
何度目かの磔の呪いで、自分の力でレンは立てない程に消耗しきっていた。
元々既に痩せ細りろくな食事もしていなかった為、そんな体力はもう何処にも残っていなかった。
「私は…何をされても、貴方には従わないわ。貴方の思い通りに生きるなんてそんなつまらない人生嫌よ!」
レンは力を振り絞り出来る限りの大きな声ではっきりと言えば、ヴォルデモートは少しだけ楽しそうに妖しく瞳を輝かせる。