第46話【シリウス視点】
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シリウスは警戒しながらも当日、指定どおり校長室へと向かった。
彼の目の前で犬から人の姿に戻れば「お久し振りです」と頭を下げる。
「シリウス…まずはお主に詫びねばならぬ事がある。おぬしの娘、レンを守ってやる事が出来なんだ。…ワシの予想じゃが、今あの子は…ヴォルデモートの所におるじゃろう。」
「移動キーで連れ去れる現場を私も見ています。見張られ、友の命を盾に取られ身動きが取れぬ様子でした。」
「左様か…あの子は本当に聡い子じゃ…そして実に友思いで優しい子じゃ。それ故、危なくもある。」
「1人で抱え込むあの子の癖、というやつですね」
ダンブルドアは大きく頷いた。
「幼い頃から伯父に随分と拷問道具で虐待をされて育った…誰かに甘えれば、今度はその人に火の粉が飛ぶ…そんな経験を何度もしておったのじゃ。それ故、人に頼る、甘える…そういった事のやり方が判っておらぬ。頼る事、甘える事は相手の迷惑になると考えておるのじゃ。それ故にそうしたい時はひとつひとつお願いをする。大丈夫?とな。シリウス…彼女が無事に戻ってきたら、抱きしめ褒めてやってはくれぬか。あの子は主を心底信頼しておる…頼る事は甘える事は悪い事でないと教えてやらねばならん。ワシや友が教えるのではない。親のお主でないと理解してもらえぬ事じゃ。」
「判りました。」
「ワシはこれから第3の課題の行く末を見守ってこよう…此処には誰も入れぬようしておく。此処からあの森が見えるじゃろう…シリウス、お主は此処で待っておれ。無事に課題を終えたハリーを連れ、此処に戻ってこよう。」
渋々だがシリウスはそれに同意をして見せれば、ダンブルドアは校長室を後にした。
シリウスは落ち着かなさそうに校長室をうろうろとし始めた。
ダンブルドアが指した森の方では、大きな歓声が聞こえる。
きっと第3の課題が開始したのだろう…ハリー…無事でいてくれ…。
シリウスの胸の中の心配と不安、そんな気持ちが募り張り裂けそうな思いだった。
アクアが拉致されたあの時を嫌でも思い出す。