「あ、そうだ…だれか、これ…何か見てくれる?」
レンはずっと手に握りっぱなしだった、あの紙切れを手渡す。
それを受け取ったのはジョージだ。
「どれどれ…」
ジョージは四つ折にされた小さな紙切れを広げて、その中身を見ればゆっくりと口を開く。
「この先お前には多くの決断を迫られるだろう。闇の中でも意識をしっかり保て。お前は母親の分も生きなくてはならない。お前にはその頑固さも含め母親譲りの多くの武器が備わっている。容易き事に惑わされず仲間を信じ生き続けろ。」
レンの血で汚れたその紙に、そのような事が書いてあるとは思いもせず、レンは驚きを隠せなかった。
「有難う、ジョージ。」
レンはニッコリと微笑みその紙を再度受け取る。
この手紙をくれた人物は間違いなく死喰い人だ…だが、自分の命を救い、そして何者かがレンをホグワーツまで連れて来てくれた…。
脈を確かめメモを手に握らせた人物の他に、自分の手に触れる人物が確かにいたのだけは覚えている。
「ねぇ…私がここに連れて来られた時、マクゴナガル先生のほかに誰かいた?」
「いや、誰も…?」
ロンは不思議そうにそう答える。きっと首をかしげているのかもしれない。
「どうしたの?」
「だれが私をホグワーツまで連れて来てくれたのかなって思って…。」
ハリーの問いにレンは素直に答えれば「そのメモの人じゃないのか?」とジョージ。
「メモを握らせた人は、握らせた後ヴォルデモートの所へ行ったわ…私が姿くらましてから、その後に私の手に触れる人が居たはずなんだけど…。」
しばしの沈黙が流れた後、ハーマイオニーがポツリと呟くように言葉を漏らす。
「私…マクゴナガル先生に聞いてみるわ。レンがお礼を言いたいって言ってるって言えば…知ってればきっと教えてくれると思うの。」
「有難う、ハーマイオニー。」
お願いするわと付け加えれば、ハーマイオニーは大きく頷き微笑んで見せた。