第49話
それからもハリーやジョージは毎日…授業の合間にもお見舞いに来てくれた。
マダム・ポンフリーの手当てのお蔭で脹脛と腹部以外の傷は大体癒え、当初より大分痛みも薄れてきた。
マダム・ポンフリーは髪を切り揃えようと言ってくれたが、レンはそれを拒んだ。
これは自分に対する戒めだ。
セドリックを守る事が出来ずに、見殺しにしてしまった自分への…。
もし瞳が見えた時に、あまりにも不自然だったら、その部分だけでも揃える様にしようとは思った。
「レン!」
ある日の夜、ジョージとフレッド、そしてリーが病室から出て行った後に、彼女の名を叫びながら駆け寄り、思いっきり抱きしめる人物がいた。
そう、ドラコだ。
「僕がどんなに心配したと思ってるんだ!…こんなに怪我をして…辛かっただろう?」
「大丈夫よ、ドラコ。…心配掛けてごめんなさい。」
レンがそう答えてみせれば、身を少しだけ離しながら「まったくだ!」とどこか安心したのを隠すように言う。
「髪もこんなにされてしまって…」
ドラコはベッドに座りながらレンの髪を指で梳かしながら、どこか寂しそうに呟いてみせる。
「僕はレンの綺麗で長い髪が好きだったし、とても似合っていたのに…。」
ドラコはそう言いながら撫で続けたが、不意にそれを妨害され、直ぐ傍にあった存在感が離され、レンは小さく首を傾げる。
「邪魔するなんて随分と良い趣味を持っているじゃないか、ポッター?」
どうやらドラコを引き剥がしたのはハリーだったらしく、レンは小さく笑ってしまう。
「レンの傷に障る方が困るからね。」
ハリーの冷たく言い放った言葉に、ドラコは反論出来なかったのか「フンッ」と小さく鼻で笑って見せる。
「まぁいい。レン、邪魔者が来て気分を害されたし、また日を改めるよ。」
「そう。…ドラコ…ルシウスに、手に怪我をさせてしまってごめんなさい。それとあの時の貴方の優しさが嬉しかったって伝えておいてくれる?」
レンがそういうとドラコは意味が判らなそうな表情をしたが、判ったと答えると、ハリーに嫌味を吐いてから病室を後にする。