「レンに伝えたい事があって1人で来たんだけど…まさかアイツがいるとは思わなかったよ。」
ハリーはドラコが完全に立ち去るのを確認してからそう話し始める。
「何かあったの?」
「セドリックが、レンに伝えてくれって言った事があるんだ。」
そう言ってから、何かを考える様に間が空くと、意を決した様に話し始める。
「僕はレンを愛してた。1人の女性としてか妹として想っていたのか、判断をするにはまだ時間が足りなかったけど、僕の事で自分を責めるような事はしないで欲しい。キミの笑顔が僕は好きだから。キミを取り巻く運命から、少しでも守れる様に、僕の杖はそのままキミに持っていて欲しい…何度も助けてくれて、生かそうとしてくれて有難う、レン。…って」
ハリーの口から、そう聞けば、レンは熱い物が込み上げて来るのを必死に耐え、震える声で「有難う」とハリーに伝えれば、小さく頷き返事をしてくれた様だった。
初めて、歳の近い男性から愛していると言われ、亡くなってからもそんな事を言わせてしまうとは…ちゃんと守れなかった悔しさが胸に残る。
初めてであった時のセドリック…
ホグワーツ特急で再会した時のセドリック…
一度デートをして、愛がなんなのかを教えてくれると冗談半分の約束をしてくれたセドリック…
関わった時間は誰よりも少なかったかもしれないが、僅かの間だけに見せてくれた色々な彼を思い出しては、悲しさに支配されてしまいそうだった。
「大丈夫?」
気付けばハリーがレンの手を優しく繋いでくれており、心配そうに声をかけてくれる。
「えぇ、大丈夫よ。…ただ…」
「ただ?」
「セドリックが初めてだったの。ホグワーツに来て、私の事何も知らないのに興味を示してそんな言葉を言ってくれた人。本当の事を知ったらきっと去っていくって判っているのに…もっと生きていて欲しかった。」
「僕も、セドリックを死なせたくはなかった。…きっと彼ならレンの事を全て知っても去らなかったと思う。だって僕だってそうだし。」