「ハリー…。」
ハリーが繋ぐ手を緩めて話したかと思えば、レンをそっと抱きしめてくれ、レンはそれに甘える様にその肩に顔を埋める。
「…私にはまだ判らない事を教えてくれるって約束して笑ってくれてたの…。本当…毎年毎年1つの学年が終わる間近になると、いつも自分の無力さを思い知るわ。…こうしていればもっと戦えたかもしれない。あーしていれば、護れたかもしれない。特別な力を持ったクレスメントがそれを活かしきれていない…呆れるわ。」
レンはそういうと、ハリーが抱きしめる腕に力を込める。
「セドリックがレンに何を教えようとしていたのかは僕には判らないけど、僕が教えられる事は僕が教える。今までもこれからも僕はレンの側にいるし、今度は僕がレンを守ってみせる…だから、レンにはそんな悲しい事考えたりしないで、いつもみたいに笑っていてほしい。」
「ハリー…」
「2人ならどんなことだってきっと出来るさ。それにロンやハーマイオニーだっているしね。」
「えぇ。」
レンはそういうと小さく頷き微笑んで見せれば、ハリーも嬉しそうに微笑んで見せた。


「レン。大丈夫かい?」
ある日の朝、聞きなれた優しい声が聞こえてレンは自然と笑みがこぼれる。
「その声と魔力はリーマスね?」
「あぁ。」
リーマスはレンの傷を見て言葉を失っているようだったが、やっとそう返事をする。
リーマスの到着をマダム・ポンフリーは待っていたのか、女性の足音が近付いてくる。
「ルーピン、待っていましたよ。」
「マダム・ポンフリー、お久し振りです。」
「この子ったら、休みの間だけでもって言ってるんだけどね、病院に行くのを拒んで…本当誰に似たのか頑固な子」
レンを見ながら溜息混じりに言えば、リーマスは「ご苦労かけてすみません」と苦笑していた。