「それと…」
マダム・ポンフリーはレンの方をチラリと見てから、レンに聞かれないよう少し離れた所に連れて行き、何やら小声で彼に話しかける。
レンは自分の傷の容態や手当ての仕方と薬を渡されているのだろうと思ったが、リーマスが慌てて言葉を飲み込む仕草を感じ取れてレンは不思議に思った。
「殆どの傷は癒えてきているんだけど…腹部と脚の傷だけ治りが遅いのよ。魔法薬があまり効かないような呪いをかけられたんだと思うけど、それを使えばゆっくりだけれど治っていくわ。安静にさせて頂戴ね。」
「判りました。有難うマダム・ポンフリー。」
そう話し終えればリーマスはまたレンの元へと歩いてくれば、暫く間が空き、溜息1つにリーマスは話し始める。
「レン、お説教をしなきゃいけない事が多くある事は判ってるね?」
いつもの優しい声色とは違い、いつもより低く真面目な声色だった。
「えぇ。リーマスとシリウスと交わした沢山の約束を破ったわ。」
「そうだね。判ってるのなら、私は何も言わないよ。だけど、どれだけ私やシリウスが心配したか判って欲しい。もうこういう事を繰り返さないって約束してくれるかい?どんな事でも良い。危険に飛び込んで行く前に必ず話して欲しいんだ。」
「判ったわ、約束する。ごめんなさい。」
そうレンは素直に謝れば、リーマスは微笑みレンの頭を優しく撫でた。
「ダンブルドアが、家に帰るか病院に入院するか、フォークスの力を借りるか好きなモノを選びなさいと言っていたけど、どうする?」
「家に帰るわ。この怪我は出来るだけ自分で治さなきゃいけないって思うの。この怪我も短くなった髪も…セドリックを守る事が出来なかった自分への戒めだから。傷痕が残っても何があっても今回の事、忘れてはいけないと思うの。」
そうレンが言えば、リーマスはどう返したら良いか判らないといった様子が窺えた。
「もし…もう怒っていないなら…1つだけ我儘を言っても良い?」
レンが恐る恐るそう言えば、リーマスは小さく微笑む。
「私はもう怒ってはいないよ。後で十分お叱りを受けるだろうしね。」
その言葉にレンは小さく苦笑し、それじゃ…とある事を強請る様にレンは両手を広げて見せた。