「どれだけ心配したと思ってるんだ…。何度も1人で抱え込むなと言っただろう…。お前がそう恐れるのと同じ様に私達もずっとお前を失うんじゃないかと気が気じゃなかったんだ。1人で動く前に知らせてくれ…頼む。」
シリウスの悲痛な叫びに聞こえた。
レンはその言葉に声を上げて泣き、シリウスにしがみ付き、何度も「ごめんなさい」という言葉を伝え続けた。
「よく生きて帰って来てくれた…お帰り、レン。もうこんな事してくれるな。判ったね?」
レンはその言葉に泣きながらも大きく頷いた。
シリウスはその胸に閉じ込めながらも、その背を一定のリズムで叩く様に撫で続けていた。
レンが次に目を覚ました時は真っ暗だった。
下からは僅かだが何か物音が聞こえる…リーマスかシリウスがまだ起きていて何かをしているのだろう。
レンは痛む身体をゆっくりと横に寝返りを打ち窓の外を見ようとしたが、何も見えない暗闇に、あぁ、目が見えないんだった。と再確認させられる。
だが、同じ家に帰って来たのに、どこか空気と言うべきか風と言うべきか…そんな様な物の香りが違う様な気がした。
精神的なものかもしれないが、どこか緊張に満ちた様な…世界の一時な平和が終わり戦いへと続く道を進んでいく様に感じる。
これからは、自分としてではなく、クレスメント家当主としての存在もきっと役立ってくるはずだろう。
いつまでも子供のままではいられない。
強くならなきゃいけない…
もう二度と、このような悲劇を繰り返さない為に…。
こんな自分の父親になってくれた2人に…
大切な仲間達に…その家族に…悲しい思いをさせない為に…。
強く、強く心に誓った。